レクサス LMはトヨタ車のおもてなしのココロの集大成か!?
先日上海モーターショーで発表され、今年秋に上陸が予定されている「レクサス LM」。“ラグジュアリームーバー”の頭文字から取った車名が意味するのは極上の移動空間だが、注目したいのは4人乗り仕様だ。
欧米ではミニバンのような多人数乗車のクルマを“ピープルムーバー”ともいう。広い居室空間は大勢を効率良く乗車させるためのものであり、シートアレンジなどは可能であってもそれ以上の機能性を備えたものは少ない。
一方、LMはその後部座席の空間をエグゼクティブのための、パーソナルなプライバシー空間と位置付けたのだ。これにより2020年に販売を開始した初代LMは、主に中国やアジア地域でヒットし、日本へ凱旋を果たすという。
まず目を奪われるのは、リア席前方に配された48インチ大型ワイドディスプレイだ。これは世界最大級のサイズで、各種エンターテイメントの他、オンラインでのビジネスミーティングに対応したものだという。
フロント席とリア席の間には昇降式スモークガラスによるパーティションで仕切られており、その下部のキャビネットにはスピーカーやシャンパンボトル2本が収まる冷蔵庫を内蔵したキャビネットまで完備している。
広大な後部空間に設置された左右独立式のオットマン付き専用大型シートは、脱着可能なタッチ式のコントローラーにより、シートポジションからオーディオ、照明、エアコンなど各種設定が可能で、アームレストには格納式のテーブルまで備えるなど、そのもてなしは航空機のビジネス/ファーストクラスさえ凌駕するものだ。
前後席をパーティションで隔てた密室なんて、筆者には現実味がなさすぎてイヤらしい想像しか浮かばないが……。LMへ乗り替える予定の方々にはぜひ健全に仕事に使っていただきたいものである。
成功者が乗るから豪華なのか、豪華だから成功者が乗るのか
そもそもなぜ、トヨタ車の装備には他社よりも際立って豪華なものが多かったのか。これは、政官財、各界のVIP専用車として、トヨタの「クラウン」や「センチュリー」が選ばれてきたことと無関係ではないだろう。
いわゆる「ショーファードリブン (自分自身で車を運転するのではなく、雇われの専属ドライバーに運転してもらうこと)」の対象となってきたことが、今日、トヨタ車の高級車に際立ったラグジュアリー装備を与える礎となっているのは間違いない。
現在、その地位は高級ミニバンであるアルファード/ヴェルファイアへと受け継がれているが、トヨタの豪華装備のルーツはバブル絶頂の時代に花開き、新型「レクサス LM」として、ある種の極みに達しそうである。
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