上海国際モーターショー2023で、トヨタが世界初公開した2つのバッテリーEV(BEV)「bZ Sport Crossover Concept」と「bZ FlexSpace Concept」。トヨタは2023年4月7日に開催された新体制方針説明会において、2026年までに新たに10モデルのBEVを市場投入し、年間150万台を販売する事業計画を明らかにしており、この2モデルは、そのうちの2つとなる。
2024年に中国市場に導入されるという「bZ Sport Crossover Concept」と「bZ FlexSpace Concept」。この2モデルの詳細について、中国のBEV事情とともにご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOYA
スタイリッシュなSport Crossover、ファミリー向けのFlexSpace
「bZ Sport Crossover Concept」と「bZ FlexSpace Concept」は、SUVの「bZ4X」、セダンの「bZ3」に続く第3、第4のbZシリーズだ。
スタイリッシュなクロスオーバーのBEVである「bZ Sport Crossover Concept」は、写真ではサイズ感がわかりにくいが、おそらくレクサスRZ並(全長4805mm、全幅1895mm、全高1635mm)だろう。まだコンセプト段階ということで、インテリアのデザインは現実離れしたものだったが、RZと同じく、ヨーク型ハンドルとなるのでは、と思われる。
トヨタによると、「アクティブ、アイコニックなスタイリングを採用するとともに、Z世代と呼ばれる若い世代のお客様に向け、パーソナルな空間として使える機能を追求した」とのこと。運転支援や自動駐車なども織り込む計画で、購入後にもソフトウェアアップデート等を通して、機能更新できるそうだ。
一方、実用性を重視したファミリー向けの大型SUVのBEVである「bZ FlexSpace Concept」は、おそらく中国市場専用の大型SUV「クラウン・クルーガー」(北米ではハイランダー)並のサイズ(全長4950mm×全幅1930mm×全高1730mm)感。
「bZ FlexSpace Concept」は、トヨタによると、圧倒的な大空間と扱いやすさ、高度な安全性、安心の航続距離を実現させたうえで、知能化の機能も搭載する、とのこと。3列シート7人乗りという可能性も高い。こちらもヨーク型ハンドルを採用しているようだ。大型のSUVということで、価格もそれなりに高めだろう。
この2モデルの登場によって、bZシリーズにクロスオーバーSUVと大型SUVが加わり、トヨタが得意とする全方位ラインアップで中国市場に戦いを挑むことになる。あと足らないのは、ヤリスクロスのサイズの小型SUVのBEVとアルファードやヴェルファイアといった大型ミニバンのBEVだが、トヨタのことなので、そう遠くないうちに登場するのではないだろうか。
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