■アイドリングストップはオフに!
道路に溜まった水がエンジン内部に入ってくるのは、吸気口からだけではありません。車両後部のマフラー(排気管)を通って入ってくるケースもあります。
まず大前提として、マフラーの位置まで冠水した時点でいずれ「水圧>排気圧」となり、排気ができずにエンジンは止まります。
ただし、もし常時エンジンがかかっていれば(排気圧があるので)ある程度の水圧まではエンジン内部まで水は入ってきません。
いっぽうで、最近の車両にはアイドリングストップが標準装備されているケースが多く、停止してアイドリングが止まると水がエンジン内部まで入ってくる場合があります。
冠水の危険がある場所を走行する場合、アイドリングストップはオフにしておきましょう。
■緊急脱出ハンマーの位置確認(なければ買いましょう!)
JAFの実験によると、水深60cmに達した場合、(水圧によって)ドアの開閉には通常の5倍以上の力が必要となることがわかっています。
女性やお年寄りは開閉が難しいでしょう(同実験により、ミニバンのスライドドアのほうがドアは開きづらくなることがわかっています。ヒンジ型ではなくスライドドアの場合、冠水した道では男性でも開閉が難しくなる)。
こうした場合に有効なのが「緊急脱出用ハンマー」です。
高級車には標準装備されているケースもありますが(助手席側の足元等)、オプション装着の場合もあります。まずは愛車に搭載されているかどうかを確認し、ない場合は(2000〜4000円程度なので)購入をお勧めします。
あくまで「裏技」として、かつて本誌ベストカーで「靴下を脱いでその靴下に10円玉を複数枚入れてガラスにぶつける」という実験をしたこともありますが、慣れていないとなかなか割れるものではありません。ですので、やはり(シートベルトカッターも付いていることだし)緊急脱出用ハンマーの常備が推奨です。
■脱出したら来た道を戻るべし!
もし車が停止して車外への脱出に成功したら、落ち着いて路面を確認し、「来た道を戻ること」を優先させましょう。
何が落ちているか、路面がどうなっているかわからない道を歩いて避難するよりは、とりあえずそこまでは走ることができた道を歩いたほうが、安全性は高くなります。
動転していると忘れがちですが、この「路面が見えない場合は来た道を戻ったほうがまだ安全」はぜひ覚えておきましょう。
■冠水して止まった車のエンジンはかけない
いったん水に浸かった車両は、エンジンをかけたりイグニッションをオンにすると破損が深刻化したり、感電したり、発火する危険性があります。
現代の車両は防水性能が高く、感電や発火のリスクは以前より格段に減っておりますが、それでもハイブリッドカーの普及などもあってバッテリーの高電圧化・大容量化が進んでおり、万が一のリスクは高まっています。
水に浸かった車両(目安は各種コードが走っているフロア近辺)は、自分で移動しようとせず、どうしても動かさねばならない緊急時は消防署へ、そうでない場合は最寄りのディーラーか修理工場へ連絡しましょう。
以上、これからの季節はまだまだ台風や豪雨による冠水被害が発生する可能性があります。万が一のために、ぜひ覚えておきましょう。
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