緑豊かな景観が人気の東京の行楽地・奥多摩。電車の駅前に各方面へと向かう路線バス乗り場が広がっているが、2008年から約15年を経た2023年現在、バスにまつわる様子に変化は起きているだろうか。ほぼ同じアングルから撮った、2008/2023年それぞれの写真を見比べてチェック!!
文・写真:中山修一
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■静かに「激変」!? JR奥多摩駅
まずは奥多摩への主要アクセス手段になっている、JR青梅線奥多摩駅の周りから見てみよう。町のランドマークにもなっている奥多摩駅といえば、ロッジのような外観の木造駅舎が最大の特徴だ。
一見フェイクレトロを思わせる外観ながら、駅が開業した1944年に建てられたと言われており、実は80年近い歴史を持っている。駅舎の外観そのものは2008年も2023年もほぼ同じと言えそうだ。
大きく変わったのは駅舎の中で、2019年にリニューアルが行われた。2008年当時にあった2階の飲食店などが一新され、現在は奥多摩観光の拠点として活用できる総合施設にブラッシュアップされている。
2008年の時点で駅前右側に置かれていた小屋が、駅出入口刷新による動線確保のため撤去されたほか、駅舎妻面の駅名標が樹脂製から木製に交換、駅舎の左端にあったATMコーナーがなくなっているなど、細かな箇所の変化はそれなりにあるようだ。
駅舎裏のホームを挟んだ反対側の様子はどうだろうか。かつて奥多摩駅では、石灰石を積み出すために貨物列車が使われており、ホームの隣に貨物ヤードが広がっていた。
ただし、2008年よりも更に10年遡る1998年に貨物列車の運行は終了している。2008年時点で貨物ヤードの線路は既に全て剥がされ、手前側が駐車場になっていた。これは2023年現在でもあまり変わっていない。
■一目瞭然か、それとも凝視レベルか……バス施設の変化を確かめる!!
15年のうちに、外見よりも内部が大きく変わった奥多摩駅に対して、バス関係に変化は見られるだろうか。はじめに奥多摩エリアで路線バスを運行する事業者を再確認すると、2008年も2023年も同じ西東京バスが担当している。
駅舎を背にして右側にバス停が1箇所、道路を挟んだ正面にバス折り返し場がある。前者が日原鍾乳洞方面へ向かう1番乗り場、後者が奥多摩湖方面への2番乗り場の構成は今も同様だ。
1番、2番乗り場ともにバス停標識はそのまま、2008年時点とまったく同じものが立っている。1番乗り場の近くに置かれた丸型郵便ポストも、どこかのタイミングで塗り直され健在だ。
左手に路線車用の給油設備、中央にバス車両の駐車スペース、右手に乗降場が置かれたバス折り返し場のレイアウトは殆ど変わっていない。ただし、2008年当時に白く塗られていた給油設備一式が、2023年現在では赤系に再塗装されている。
バス施設の周辺もJRの駅舎と似た要領で、基本的には一緒ながら、細かな箇所を見ていくと多少の変化が見られる。他には2008年の時点で存在した、折り返し場奥の駐車スペースの看板付き上屋が、その後撤去されたようだ。