■最も変わったのはやっぱりアレ!?
最後に注目すべきは車両だろう。2008年の写真に写っている西東京バスの各車両をチェックしてみると、当時はまだ2桁ナンバー(八王子22)の車が使われていたのが見て取れる。
4台写っているうちの1台が、白と青に塗装された旧多摩バスカラーの路線車だ。7Eと呼ばれる富士重工製の車体に、日野ブルーリボンの下回りを組み合わせたもので、1990〜95年までに作られたバリエーションと思われる。
残りの西東京バス標準塗装の3台は全て中型路線車の日野レインボーだ。丸目4灯のヘッドライトが、ちょっと昔のバスを思わせる。
こちらも1990年代前半に製造されたタイプで、2008年当時すでに少数派になりつつあったツーステップ車であるのも特筆される。
一方の2023年に撮影した各写真では、合わせて6台の車両が写っている。中型路線車の日野レインボーIIが3台と、同じく中型のいすゞエルガミオが3台の内訳。
2008/2023共に、日野レインボーという共通ワードが確認できるが、2023年のほうは全てノンステップ車になっており、バリアフリー化推進前に作られた車両と後に作られた車両との間に、デザインの劇的な変化が見られる。
ただし、2023年現在のレインボーとエルガミオの年式を確認したところ、2006〜2011年に製造された車両ばかりで、どれも車齢的には10年以上。現行車両になってから結構な年月が経っているわけだ。
ちょうど2008年頃が、ツーステップからノンステップへの新旧交代最後の時期で、タイミング的にたまたま引退間近の旧世代バス車両が揃う結果となった、とも考えられる。
ちなみに2008年当時のレインボーではホイールが赤く塗られていたが、現役のレインボーとエルガミオでは塗装をやめている。
いずれにせよ、この15年の奥多摩駅周辺で最も大きな変化が見られたのはバス車両であった。
駅舎など建物関係で激変した箇所は特になかったが、クルマというのは世相を表すもので、写真に写っている車種が変わっただけで、時代が着実に流れていると感じさせるのが面白い。
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