■インドから並行輸入して日本で乗れないか?
日本で3ドアのジムニー/ジムニーシエラを今発注すると、納期はジムニーが1年以上、ジムニーシエラは1年半以上かかるという(2023年6月ディーラー調べ)。
スズキ広報部に聞いた話では、ジムニー5ドアの日本発売に関して「当面、発売の予定はありません」とのこと。
ただ、「日本での発売の計画をしていない」のではなく、当面は発売の予定はないというニュアンスなので、おそらく発売を予定している、という解釈と受け取ってよさだそうだ。
いまだ長納期が続いているから、まずはそちらを優先して生産し、長納期が落ち着いたら5ドアを、という考えなのだろう。
きっと5ドアのジムニーの受注が始まったら、受注が殺到して、ランクル300のように納期は4~5年ということになりそう。
そんな状況をただ待っていられない。どうしても早くジムニー5ドアに乗りたいという人もなかにはいるだろう。
では、インドでジムニー5ドアを購入し、並行輸入して、日本でなんとかして登録できないものか? インドは日本と同じ右ハンドルの左側通行の国だから簡単だろうというのは浅はかな考えなのか……。
日本や欧米などの自動車先進国では、車両認証法規のなかでその国で自動車を走らせるのに必要な安全や環境の規則が定められていて、それぞれの地域特性や歴史的な背景などから多くの規則が作られ、運用されているのはご存じのとおり。
クルマを販売し登録するためには、それぞれの地域ですべての規則を満たすのはもちろんだが、その国で生産されている車両として保証されていることを証明する必要がある。それが国別の車両型式認証(VTA: Vehicle Type Approval)である。
例えば日本でVTAが取得している車両は、米国や欧州でも使用できるように、国際的な車両認証 (IWVTA : International Whole Vehicle Type Approval)の相互承認制度が交わされている。これは「1958年制定」といわれるもので、車両全体の認証だけでなく、個別の規則の統一を図る動きが行われている。
つまりこの車両型式認証書が、加盟国1ヵ国で、部品や自動車に対して発行されるとその認証書はほかの加盟国では追加の試験をせずに受け入れられることが保証されており、現在、58の国や地域と127の規則がある。
しかし、残念ながらインドはその1958年制定に加盟していないため、現時点で欧州、日本で発売(認証)されていないジムニーシエラ5ドアの輸入は厳しいと思われる。
実際、過去インドからジプシーを並行輸入したRV4ワイルドグースさんに、ジムニーシエラ5ドアをインドで購入して、日本に並行輸入できるか聞いてみた。
「インドやインドネシアなどアジア諸国で生産されているクルマは、車両製造証明書が付いていませんので、新規に日本でさまざまな試験を受けなければいけないため、登録に時間がかかり、その莫大な金額と期間を考えると厳しいと言わざるをえません。
またジムニーシエラ5ドアが日本で正式に発売された後でも、日本生産とインド生産のジムニー5ドアが同じクルマだと証明する書類をスズキさんが出してくれるかどうか……」。
つまり、並行輸入自体は可能だが、莫大な費用と長い期間がかかるということだ。
日本で発売しても納期が1年以上かかることが予想されるジムニー5ドア。お金と根気のある方ではないとジムニー5ドアを日本に輸入して走らせるのは難しそうだ。
【画像ギャラリー】ジムニー5ドアがインドで発売! 日本と同じ右ハンドルだから輸入はそんなに難しくない!?(6枚)画像ギャラリー
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