ベストカーWeb編集部にとある情報が寄せられた。なんとNSX タイプSが8000万円で業者オークションに出品されているという。定価2794万円の限定車がいったいなぜ……「転売ヤー」の実情に迫る。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ、トヨタ
■欲しかった人の手に渡らない悲劇
クルマに限らず転売ヤーの被害というものは社会問題になっているのはご存じのとおり。もちろんどんな世界でも点数の少ないモノの価値はあがるし、これは絵画やおもちゃなどのコレクターと呼ばれる人々からすれば当然の認識だ。
もちろんクルマも限定車になればいわゆる購入者同士の「取り合い」になるし、注文タイミングでの勝負になる。これで買えなく涙をのむことも多くあるのだが、それはそれで仕方のないこととして諦めるハナシだ。
しかし近年は半導体不足、コロナ渦の影響もあり、ただでさえ納期が通常の数倍もかかるケースが増えた。限定車だとなおさら手に入れることが難しくなっているのだが、さらにそこに転売ヤーという集団までが増えてきた。
しかも法人ぐるみで集団で購入申し込みをするケースもあり、一般購入層としては非常に憤りが募るケースになっている。
■定価2794万円が8000万円に……投機目的での購入は明白だ
今回編集部にもたらされた情報によると、NSXタイプSが業者オークションに出品されたという。出品票によると下記のような個体だ。
・初度登録 令和4年
・車検時期 令和7年
・走行距離約50km
・価格8000万円超
なんたって新車同等だから評価点は「S」という最上評価で、走行距離を見れば納車されて走らせることもなく保管されていたのは明白だ。つまり転売目的での購入を疑われても仕方のない状況はそろっている。
またNSXタイプSは購入時にディーラーで「購入後1年間の名義変更禁止」という誓約書を書く必要があったのだが、現時点で1年は経過しておらず誓約書を反故した状況だ。誓約書についてはまったく意味をなさない「紙切れ」だったということになる。
売買の権利については誓約書にて制限できるわけもなく、無法者にとっては痛くもかゆくもないハナシなのだろう。ランクル300でも転売は横行したが、結局のところ買い取る先がいるのも事実だ。
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