■運転の楽しいセダンベスト3は?
「楽しさ」で3台を選ぶなら、やはりこの顔ぶれになることは当然として、順位をどうつけるかが悩みどころ。イメージ的には、最も走りに特化した印象のあるWRX S4が本命かと思いきや、現時点では以下のように考えている。
1位IS。最新のISはハンドリングの正確さにかけてはドイツ勢にも負けてないどころか、むしろ凌ぐ面もあるほどの仕上がりに感心する。
ステアリングを中立からわずかに切った領域からそのとおりに応答して、切る側だけでなく戻す側も、これ以上ないほどピタッとクルマがついてくる。文字どおり“意のまま”に操れて、本当に気持ちよく走れる。その点ではほかの2台をリードしている。
豊富に選べるパワートレーンもどれもよくできている。3.5L・V6だって充分に速いのに、5L・V8まで出てきたのだから、もうダメ押しだ。
続くスカイラインは、激ハヤのハイブリッドがなくなったのは寂しいけれど、400Rの存在が大きい。3L・V6ツインターボはレスポンス、パワー感、エキゾーストサウンドのどれをとっても絶品! 今の日本車で最もエキサイティングなエンジンだと思う。
足まわりも唯一、400Rだけ電制ダンパーが与えられていて、もとは突き上げが強くてイマイチだったのに別物になっていて好印象だ。
ついでWRX S4は、2.4Lボクサーターボ+CVT+VTD AWDという世界で唯一の組み合わせにより、乗りやすくて速くてハンドリングも俊敏で安定していて、それを手頃な価格で実現しているのがたいしたものだ。
現状でも充分に楽しいけれど、発売から時間が経過して熟成された前出の2台に比べると、やや粗削りな感あり。特に乗り心地がもう少し洗練されるといいなと思わずにいられないのが正直なところだ。
■総合力の高いセダンベスト3は?
クラウンクロスオーバーが1位。クラウンらしいかどうかはさておいて、デザインはスタイリッシュだし、パッケージングも走りもよくできている。先進装備も快適装備も非常に充実している。
全車にE-Fourを搭載しているので降雪地でも安心だし、よくできた後輪操舵との相乗効果で舗装路でもFFベースであることを感じさせない走りを実現している点も高く評価したい。
ハイブリッドは燃費もビックリするぐらい良好だし、走りを求める人にはターボハイブリッドのRSのような選択肢も用意されている。総合力はかなり高い。内容の濃さを考えると価格も充分に納得できるものだ。
2位は新世代のカローラ。実は侮れないほど優れた実力の持ち主だ。後席も含め不満のない広さが確保されていて、若々しくスポーティなルックスに応えるかのように走りのほうも上々の仕上がりだ。
加速もハンドリングも応答遅れのない一体感のある走りを実現していて、乗り心地も快適で気になることがない。
インフォテイメント系や運転支援装備も充実。総合力という切り口では、本当にそつのない仕上がりの万能選手だ。もちろんカローラらしく価格もリーズナブルなので、コスパの高さはいうまでもない。
3位はISとしたい。走りのよさは述べたとおりで、総合力もかなりのものだ。スポーツセダンであるだけでなく、実用セダンとしての居住性や快適性も充分に確保されていて、さらにはプレミアムブランドのステイタス性も兼ね備えている。
登場から時間が経過しているが、だからこそネガがほぼ払拭されているし、折を見てちゃんと新しい装備をどんどん採り入れているので、最新のクルマと比べてもそれほど見劣りしない。価格はそれなりに高いが、満足感はもっと高い。
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