■とにかくスタイリングがカッコいいクルマだった!
当時のクリオ店でアコードインスパイア、ベルノ店でビガーという姉妹車を販売したが、1992年のマイチェンで同じく直5SOHCの2.5L(最高出力190ps)を今までの2Lに加えて3ナンバー専用車となる「インスパイア」を追加した。以後、同じ2Lエンジン搭載でも5ナンバー車はアコードインスパイア、3ナンバー車はインスパイアという併売スタイルとなったのは何とも興味深い。
インスパイアは全長がアコードインスパイアから140mm延長され、全幅も1700mmを超える3ナンバー車となったが、似たようでいて顔つきが少し違うので判別は可能。インスパイアのフロントグリルはアコードインスパイアに比べてかなり小型化され、フロントヘッドライトの占める面積がかなり横長になっているからだ。
このフロントヘッドライト、キラキラと光る「マルチリフレクターランプ」と称され、日中の街中で存在感を発揮していたのをよく覚えている。個人的には、フロントマスクのバランスのいいアコードインスパイアが好みではあった。
ホンダ自ら「ラグジュアリー・4ドア・スペシャリティ」と銘打っただけあり、アコードインスパイアはホントにカッコよかったと思う。内装では天童木工製の本木目パネルを上級グレードに奢り、上質な雰囲気。フロントオーバーハングが短くまるでFR車のような均整の取れたプロポーションにリアスポをつけたアコードインスパイアは、さながら4ドアクーペそのもの。
担当は当時、FFのテンロク2ドアクーペに乗っていたのだが、このカッコよさには痺れまくったものだ。残念ながら手に入れることはなかったのだが、初代アコードインスパイアは時に月販5000台以上をマークするヒット作に。1995年に2代目に切り替わってエンジンが直5だけでなくV6も追加され、3代目以降はV6が主流となっていき、日本では5代目で生産を終了したインスパイア。
やはり、一番輝いていたのは初代アコードインスパイアだったのだなあと、今回の新型インスパイア登場を見て思うのだった。
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