2023年6月5日、イタリア ミラノで行われたメディア向けイベントにおいて、レクサスの新型コンパクトSUVモデル「LBX」が初公開された。パフォーマンスや機能性の高さを意識させる動的なデザイン、レクサス専用に開発したというGA-Bプラットフォームなどトピックは多いが、高級コンパクトカーというのは成功するのが非常に難しいとされている。はたして、新型LBXは、世界で存在感を示すことができるのか!!?
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:LEXUS
欧州は、高性能なコンパクトモデルの需要が高い
冒頭で触れたように、イタリアのミラノで発表された新型LBX。レクサスのブランド力が日本や北米ほど強くない欧州での発表は、この新型LBXが、欧州のコンパクト市場を意識していることを示唆していると考えてよいだろう。
欧州には、都市部でも小さなラウンドアバウトが各所にあり、クルマは、右に左にと常にうねうねと動きながら移動する必要があったり、駐車する際も、びっしりと路上駐車されているなかで、わずかに空いているスペースにささっと縦列駐車をする必要があるなど、コンパクトカーが圧倒的に便利。ただ、郊外に出れば高速道路が発達しており、日本より高いアベレージスピードで走行することになる。イタリアの場合は130km/h制限の箇所が多いが、日本よりもアンジュレーションやギャップが多いため、日本よりも高速域の安定性や乗り心地のよさが重要となる。これらのことから、コンパクトカーでありながら高性能なモデル、というのは、欧州ではかなり需要が高いことは、現イタリア在住の筆者も日々感じている。
レクサス用に刷新されたGA-Bと新開発の足回りによって、あらゆる速度域の乗り心地を向上
こうした欧州の需要に、新型LBXはどれだけ応えられるモデルとなっているのか。トヨタ最小のプラットフォーム、GA-Bをレクサス専用に刷新し、操縦安定性と乗り心地を向上、もちろん振動の低減や静粛性にも効果を発揮する。また、新開発のサスペンションシステム、ショックアブソーバーにより極微低速の減衰力を確保し、あらゆる速度域での乗り心地を向上させている。
エンジンは1.5L 直3ガソリンエンジン+モーター、バイポーラ型ニッケル水素電池を搭載したハイブリッドだ。モーターによるアシストを大幅に強化することで電気リッチな加速感を実現している。また加速中のエンジン回転数と車速、エンジン音を連動させることで、欧州ドライバーが好みのリニアな走行フィーリングも演出している。
デザインについては、「ユニファイドスピンドル」によるアイコニックな表情と、低く構えたフード造形、ボリューム感のあるフェンダーセクション、コンパクトなキャビンという構成で、安定感のある佇まいとダイナミックな走りを予感させるプロポーションに仕上がっている。「サイズのヒエラルキーを超えた上質さと存在感を併せ持ち、高い審美眼をもったお客様が日常でカジュアルに使いたくなるコンパクトクロスを目指して開発してきた」とレクサスがするとおり、サイズ感を感じさせない存在感があり、写真をみるかぎり、「おお、カッコイイ」と思わせる魅力がある。
コメント
コメントの使い方平屋のコンパクトな新築の家と同じで、無駄な大きさを求めない人には良さそうです。
バンデンプラス プリンセスみたいなポジションになって欲しいです。