■アッシー君たちの愛車はシルビアを代表とする「デートカー」!!
では、アッシー君はどんなクルマに乗っていたのか? 「六本木のカローラ」の異名を取ったBMW3シリーズ(E30/2代目)だろうか。
いや、そんな裕福なアッシー君は滅多にいなかった。バブル期といっても、まだガイシャは非常に珍しく、20代の若者には超高嶺の花。よほどのボンボンでもない限り、ガイシャなんか乗ってない。
では、どんなクルマか。
それは主に、国産スポーツクーペであった。2代目プレリュードや3代目インテグラ、S13シルビア(5代目)などの「デートカー」たちだ。
アッシー君が全員デートカーに乗っていたわけではないが、当時の若者は、自分用のクルマが買えるなら、ほぼ確実に国産スポーツクーペを選んだ。なぜならカッコいいし、見栄が張れたからだ。
「その程度で!?」と思うかもしれないが、当時の若者は決して金持ちではなく、みんなローンで必死に国産スポーツクーペを買っていたのである。
バブル期は、クルマへの欲望も爆発しており、全員、少しでもいいスポーツクーペに乗りたがった。そういうクルマにいい女を乗せて走るのは男の夢。
できればやらせてほしいけど、いい女が乗ってくれるだけでうれしいし、そのうちやらせてくれるかもしれない。そこにアッシー君誕生の理由があった。
■筆者も実感!! バブル期の国産スポーツクーペでの一番人気はどのクルマ?
国産スポーツクーペは、女子大生たちの間で大変人気があった。そりゃまぁガイシャの方が格上だが、雲の上すぎて現実的ではない。
あくまで国産スポーツクーペの中だけでヒエラルキーが築かれており、女は彼氏の乗っているクルマによって、自らの地位がある程度決まった。
「彼のクルマはソアラなの」というのは、女子大生たちの中ではほぼ最上位。多くの女子は、最上位に立つべく、クルマを男の魅力のひとつとして選択していた。そりゃ男の側としちゃ、いいクルマに乗りたくなるってもんだ。
私は慶大生時代、バブル期前の1982年ですが、買ったばかりの父の初代ソアラでサークルの練習に乗り付けたところ、女子部員たちが「乗せて乗せて~」と群がり、4人満載してそこらを1周したことがある。
これはアッシー君ではないが、そういう時代だった。
実際には、そこら中にアッシー君がいたわけではない。ごく一部に存在したアッシー君を、当時の雑誌がおもしろおかしく取り上げ、話を大きくした面がある。ある種の都市伝説である。
それでも、夜、六本木で遊んでいた彼女が、彼や彼氏候補に「迎えに来て~」と電話するようなことはよくあったわけで、その時彼の愛車がイケてる国産スポーツクーペならカッコいいわぁ、という憧れは誰しも抱いていた。
男も、そんなシーンにさっそうとソアラに乗って現れることに憧れたのである。すべては一瞬の夏でした。
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