何より消耗品が安い!
軽自動車に人気が集まる理由は、手頃な車両価格とともに、ランニングコストの安さにある。つまり、「消耗品」「税金」「通行料金」などだ。
まず「消耗品」からみていこう。消耗品にはエンジンオイル、バッテリー、冷却水、オートマチックオイル、タイヤなどが含まれる。
これらにはグレードや販売店によって価格がピンキリのため、軽自動車、小型車、普通車において厳密に比較することは難しいが、カー用品ショップや通販などの売れ行きやお薦め品をみてみると、おおよそ次のような平均値がみえてくる(※すべて工賃は除く、価格は税込目安)。
【エンジンオイル】
軽自動車/2100円以上(3L缶)
普通車用/4400円以上(4L缶)
【バッテリー】
軽自動車/4500円~1万2000円程度
小型・普通車/1万800円~5万円以上
【タイヤ】(4本セット)
軽自動車/9300円~2万円以上
小型・普通車/1万3000円~5万円以上
特に気候変動の激しい近年、居住地域によってはスタッドレスは必需品。また、車両価格と同様に、これら消耗品や交換パーツの価格も大きく上昇している局面においては、軽自動車の割安感がより際立つ。
自動車税がとにかくお得
また、ランニングコストにおいてもっとも気になるのが税金だ。クルマを所有すると、主に「消費税」「自動車重量税」「自動車税」(または「軽自動車税」)がかかる。
消費税は10%なので、全般的に車両価格が安い軽自動車が有利なのは明らか。また、「自動車重量税」については自家用乗用車の場合、新車から12年間は車両重量0.5トンごとに年4100円かかるが、軽自動車は3300円。つまり最低でも年800円安くなる。
そして、最も所有者に負担がかかるのは「自動車税」。軽自動車の場合は自家用であれば年間一律1万800円、営業用で6900円であるのに対して、用途区分が乗用車になると、その排気量の大きいかによって劇的に跳ね上がる。
下の表は、「2019年9月までに購入」した車両の税額だが、これ以前に購入した車両の場合、さらに高くなる。3リッター以上の排気量のモデルと比較すれば、その差は年間4万2700円にもなるのだ。
通行料金も驚くほど安い!!
そして当然のことながら、軽自動車の場合は通行料も安くなる。
昨今では首都高速の料金は、ETCの有無や時間帯などによって正確な料金がスクランブルされている感があるが、その料金幅だけをみても以下のような格差がわかる。つまり軽自動車のほうが普通車よりも82~93%も安いのだ。
●首都高速(東京)のETC搭載車の場合
車種区分/基本料金
軽自動車/280円~1590円
普通車/300円~1950円
また、東名高速道路を東京から静岡までETC搭載車で走行した場合は以下の通り。その差は通常の時間帯で830円、深夜帯で580円となる。
●東名高速道路(東京-静岡)のETC搭載車の場合
普通車(通常料金)/4300円(深夜3010円)
軽自動車(通常料金)/3470円(深夜2430円)
こうした通行が毎日の通勤となると、その差はより明確に表れる。
例えば神奈川県の厚木から東京ICまでの片道料金(通常の時間帯)は以下の通りで、その差は320円。仮に月に20日間往復した場合、差額は1日往復で640円となり、月に20日間往復すると1万2800円にもなる。これを12カ月で考えれば、軽自動車と普通車では、年間15万3600円も違ってくるのだ。
●東名高速道路(東京-厚木)のETC搭載車の場合
普通車(通常料金)/2110円
軽自動車(通常料金)/1790円
クルマは趣味性の高いアイテムであり、好きなモデルに乗る喜びは大きい。しかし、経済的側面からフラットにみれば、軽自動車を選択することは、究極の財テクといえるかもしれない。
昨今の軽自動車はバリエーションが多く、居住性も良好で、機能も充実し、オプションパーツも多い。もしクルマに趣味性を高く求めないのであれば、軽自動車をファーストカーにするという選択肢を、いま一度検討してみてはいかがだろう?
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