知らなかったのかのかもしれないが、知らなかったこと自体に責任がある
7月25日に行われた記者会見で、兼重元社長は、自身を含む経営陣はその旨を知らなかったとしている。おそらく「そうした行為があったことは知らなかった」というのは本当だろう。降格処分と同じくらい、昇進のチャンスを与えていたということなので、叱咤激励、教育の一環で行っていたつもりかもしれないが、経営者としては、そうした不正に気づけなかったこと自体に責任があると思う。
報告書には「靴下にゴルフボールを入れて(故意に損傷個所を増やすためボディへ)叩きつけていた」という事例も紹介されている。兼重元社長はこの事例について「信じられない、ゴルフを愛する人への冒涜」と語っていたが、会見を見ていたクルマ好きのほとんどが「そこはクルマ好きへの冒涜でしょうが」と叫んだのではないだろうか。
そのうえで、今回の一件により「クルマ選びは店選びであり人選びである」という思いを強くした。どれだけブランドが強くても、値引きや条件が魅力的でも、自分や家族の命を載せる乗り物は、信頼できるお店や信頼できる人から購入しましょう。修理も点検も同じ、ということですね。
今回のビッグモーターの手口に関しては、ユーザー側(修理を依頼する側)で気づくことがなかなか難しい。できるとしたらほかでも見積もりをとるくらいだろうか。ビッグモーターの場合は、自社で修理をするため(提携の修理工場に依頼しない)、第三者の目が入らず、このような不正が横行してしまったのだろう。
ビッグモーターの経営理念は、「常にお客様のニーズに合ったクオリティの高い商品、サービス、情報を提供する」だという。5000人規模の社員の生活が懸かるビッグ企業だけに、まずは膿を出し切り、被害全体を明らかにした上で、厳正な後処理がなされていくことを期待したい。
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