コロナ禍による工場の休業や半導体不足の影響によって、「○年待ち」というとんでもない納車待ちも聞かれるようになっていた最近の自動車業界。納期はいまだ長いままなのだろうか。
※本稿は2023年5月のものです
文/佐藤耕一、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年6月26日号
■2023年5月現在、納期は短縮傾向に
半導体不足などの影響による新車の納期遅延は、ニーズの高いハイブリッドカーこそ、まだ長い納車待ちが続きそうな状況だが、それでも以前に比べると、増産や海外向けを国内に振り向けるなどの対策によって、最近は短縮傾向にある。
トヨタは受注してから生産する方法を採用しているので、他メーカーに比べると納期が長くなる車種が多いが、ダイハツが生産してトヨタにOEM供給している車種は例外で、納期は早まっている。
軽自動車やコンパクトカーは、国内での部品供給が多いことから比較的納期は早くなっている。また、トヨタ以外のメーカーも国内での部品供給率が高いのと、人気の高いハイブリッドカーやSUVのラインナップがトヨタよりも少ないこともあって、納期が短縮しつつある。
■メーカーごとに見る2023年5月現在の納期
トヨタは5月中旬時点でアルファード/ヴェルファイア、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、ハリアー、RAV4、カローラクロス、ヤリスクロスなどがオーダーストップしている。レクサスは一部に約3カ月待ちの車種もあるが、全般的に納期は長めになっている。
日産は、セレナのe-POWER車は残価設定ローンで買うと月々の支払いが抑えれるため好評で納期が長くなっているが、2Lガソリン車のほうは2カ月程度の納期で買うことができる。
ホンダ車では、フィット、フリード、N-BOXは見込み発注している販売店が多いため、短い納期で手に入りやすくなっている。
マツダは新型車が少ないので、長期に待たされる車種は少ない。さらに、国内での部品供給率が高いことも影響していると思われる。
スズキ、ダイハツ、スバル、三菱もマツダと同様で、全般的に納期が短縮している傾向がある。また、これらの4メーカーは今秋にはさらに納期が短くなる見通しだ。
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