日本列島はものすごい暑さが続いているが、クルマ生活でも暑さは敵になる。炎天下の車内は高温にさらされるため、不用意にものを放置すると故障したり事故を招いたりするのだ。そこでつい車内に置きっぱなしにしてしまいがちな「危険物」を5つ選んでみた。車内の点検に役立ててほしい!
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ=DimaBerlin@Adobestock)、ベストカーWeb編集部
■線香の着火用に買ったライターが爆発した例も
車内が殺人的な高温になることは再三報じられているが、いまだに暑さを原因とするトラブルが絶えない。炎天下に放置したクルマは、30分もしないうちに室内が50℃にもなり、人やペットが耐えられる限界を超えてしまう。
特に注意したいのがダッシュボード。真夏の直射日光を受けた黒いダッシュボードは70℃にもなるから、うっかりここにものを置いてしまったらトラブルのもとだ。
ここでは、そんな鉄火場のような車内に放置したらヤバイアイテムを5つあげてみた。車内にないか、ぜひとも点検してほしい。
・消毒用アルコール
コロナ禍を受けて、クルマに消毒用アルコール(エタノール)を置いてあるという人もいるだろう。しかしアルコールは常温でも気化するし、気化すれば容積が増えて容器の破裂などを招いたりする。高温になる車内に放置するのは非常に危険だ。
もう1点、アルコールの燃えやすさにも注意したい。たとえば放置した消毒用アルコールが高温で漏れ出して気化し、車内に充満したとする。この車内に乗り込んでライターに火を付けたらアウト、爆発する可能性が高い。
濃度60%を超えるエタノールは灯油やガソリンに並ぶ立派な危険物。取り扱いには十分注意しよう。
・モバイルバッテリー
スマホのバッテリー残量が不安で、モバイルバッテリーを携帯している人は多いはず。このモバイルバッテリーを構成するリチウムイオン電池は寒さにも暑さにも弱く、特に高熱に長時間さらされると爆発する恐れがある。
リチウムイオン電池の理想的な使用温度は16~25℃といわれており、一般的にも0~35℃が推奨範囲。50度にもなる車内に放置すると、爆発こそしないが、形状が変化したり、充電容量が低下するといったトラブルの原因になる。
モバイルバッテリーのみならずスマホやノートパソコンも同様。車内には放置せず外へ持ち出そう。
・炭酸飲料
暑い夏だけに炭酸飲料を買う機会は多い。しかし炭酸ガスも温度上昇によって圧力が高まるから、車内への放置は避けたいアイテムだ。
2022年に東京都が行ったアンケートでは、高温の車内でペットボトルが破裂したという回答が多く寄せられたという。さらに夏の車内環境(60℃)を再現してペットボトルを放置したところ、炭酸飲料はすべての容器が変形し、2商品は転倒したそうだ。
爆発までには至らないまでも、シートやコンソールにこぼれてべとべとになる可能性は高い。炭酸飲料は早めに飲み切るか、車外へ持ち出すべし。
・ガスライター
100円ライターなどに入っている液体は、ブタンと呼ばれるLPガスの一種。燃料として使われるものを高温の場所に置いていいはずがない。さっさと外へ出そう。
「自分はタバコを吸わないから」と安心しないでほしい。お盆のお墓参り用に買った線香着火用のライターをうっかり車内に置き忘れ、爆発したという事例もある。グローブボックスなどに紛れていないか、確認してもいいだろう。
この他、可燃性ガスを含むスプレー缶も同様に危険。虫よけや制汗剤、車内を冷やす冷却スプレーなど、クルマに持ち込みそうなものは意外とある。これらはすべて高温に弱いので、要注意だ。
・メガネ/サングラス
樹脂製のメガネ/サングラスは、ダッシュボードなどに置いておくと溶けてしまうことがあるのだが、もうひとつ危険なのが、レンズによる集光効果があること。万一焦点が合う場所に燃えやすいものがあるとレンズの集めた光で発火し、いわゆる収れん火災に陥ることがあるのだ。
収れん火災はメガネだけでなく、ペットボトル内の水などが原因になった例もある。クルマを降りる際には日の当たるところにレンズになりそうなものがないか、確認したい。
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