200万円台で圧倒的クオリティ!!　内装の質感が高いマツダ3は走りもバランスよかった！

　内装の質感に定評があるマツダだが、それはCセグのマツダ3でも同じでクオリティが高い!!　走りも真面目に作り込まれており辛口評価するもなかなか欠点が見つからないほどの仕上がりだった。

※本稿は2023年6月のものです
文／水野和敏、写真／MAZDA、ベストカー編集部、撮影／池之平昌信
初出：『ベストカー』2023年7月26日号

■スムーズな足の動きが心地よいが全体的に少し硬いか？

　いつものように歩くほどの速度でゆっくり走り出すと、足の動きはスムーズで、段差乗り越しの衝撃をいなしています。大きく左右にステアリングを回します。遊びがなく、切ったぶんだけ車体が反応します。これは車体パネルの合わせがしっかりしていて遊びがないためです。

　リアウィンドウに歪みがありますね。後方の景色が歪んで見えます。ガラスメーカーの製造問題ですが、すぐに直したい。

　速度を上げていくと、ちょっとコツコツした硬さを感じますが、これはバネです。ショックアブは微小入力をしっかりと抜いています。前後の動きのバランスはよく、操安は優れています。

　ただ、全体的に硬さを感じます。リアのバネを硬くしているので、動きを抑えるためにショックアブの伸び側減衰を強めにしています。連続する微小段差を通過すると、リアサスが伸び切る前に次の縮みが発生するため、実質ストロークが短くなって底付きしたようなコツコツした乗り味（ボトミング）が出ます。

　もうちょっと伸び側減衰を緩めてやれば、ずいぶんとスムーズな乗り心地になります。バネはこの硬さでちょうどいい前後バランスです。

　フロントがしっかりと動きを止めているので、リアのショックアブを緩めて動かしてやっても操安バランスが崩れることはありません。

　下り込みのコーナリングでもフロントに荷重が集中するようなことはありませんが、リア内輪の足が伸び切らないため、接地が少し抜けています。リアショックアブの伸び側を緩めれば、内輪の接地が活かせます。

■エンジンは滑らかだが改善の余地あり

　エンジンは気持ちよく吹けあがり、滑らかなフィーリングですが、特段パワフルだとか、トルクがあるというエンジンではありません。

　レギュラーガソリン仕様のため、点火時期がリタードしています。ハイオク仕様にして点火時期を4～5度進めて、燃調をもう少し薄くしてやればもっとトルクやレスポンスに優れたエンジンになり、恐らく燃料代も減ります。

　マイルドハイブリッドなので、アクセルを踏んだ瞬間だけモーターがアシストしますが、エンジン本体のトルクがついてきていません。ハイオク仕様にしてやれば、この2000～2200rpmのトルクの谷間が消えて燃費も向上します。

　エンジンの音はきれいに気持ちのいい音だけが室内に入ってきます。ガーガーいう吸気騒音は抑えられています。

　ちょっとリアからのロードノイズが気になります。これはバックドアの振動がルーフレールで増幅されて前席の耳元で「ボワー」とした音で聞こえるのです。バックドアにサイドウエッジラバーを追加して嵌合性を高めてやれば、この振動音は解消します。

　ブレーキはちょっとリアが浮き気味で接地が抜けますが、ノーズダイブが小さいため、完全に浮いてしまうことはありません。ペダルの剛性は高く、操作感もいいと思います。

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