ランクル プラドとはどういうクルマだったのか?
プラドの起源は1984年にデビューしたランドクルーザー ワゴンにある。同年にランドクルーザーのモデルチェンジが行われたが、この際に5ナンバーサイズのワゴンも販売が開始された。
タフなイメージの本家ランクルよりも一般道での使い勝手を高めたワゴンは新たな使用者層の開拓に成功し、後にプラドに改称されて独立したシリーズになった。
プラド初のモデルチェンジが行われたのは1996年だが、当時の日本国内ではRV(レクリエーショナル・ビークル※後のSUV)ブームであり、三菱 パジェロや同じトヨタのハイラックスサーフなど、ライバルに相当するモデルも存在していた。
パジェロよりも都会的であり、日常使用にも適していた2代目プラドは人気を集め、このジャンルでは先行していたパジェロの販売台数を上回ることさえあった。2代目プラドはルックスもパジェロを意識しているといわれたが、後期型ではオリジナル感を強めている。
1990年代のRVブームでは、トヨタのRAV4やホンダ CR-Vなど、比較的ライトテイストのモデルも人気を集めていた。ランクルのライト版とはいえ、これらのクルマに比べるとプラドはより本格的なクロスカントリーモデルであり、RVブームのなかにあっても独自の地位を築いていた。
3代目プラドは2002年に登場し、4代目は2009年にデビュー。先進機能が満載され、高級感もアップした4代目は、トヨタ製SUVのエースとも呼ばれるポジションを確立した。
それだけ人気があったプラドの名称がなくなることに少々疑問はあるが、これはトヨタが新設計の250をランクルシリーズの新たなけん引役にしたいという意思の表れとも考えられる。
250登場と同時に「70」も復活!
ランドクルーザー 250をライト系ランクルとするなら、よりハードな環境にも耐える仕様がヘビー系ランクルで、このヘビー系には「70」の型式名が与えられていた。
70型ランドクルーザーは、1950年代に警察予備隊(現・陸上自衛隊)向けに開発され、実際の導入はなかったものの、1954年に初代ランドクルーザーとして発売されたBJ型の直系ともいうべきモデル。
悪路走破性はもちろんのこと、あらゆる状況にも耐えうる70型のタフさは、北米やオーストラリア、中東などで幅広く愛用される要因になった。
そうした理由もあり、日本国内ではそこまで需要のなかった70型は、2015年をもって国内販売を終了していた。だが、今回の新型250発表とともに日本市場にもカムバックすることがアナウンスされた。
リニューアルされた70型は、既存モデルをベースに機能上必要とされる箇所をアップデートしているのが特徴で、エンジン&トランスミッションが新型となり、安全装備も最新仕様を装備。フェイスリフトも実施された。
完全新設計といってよい新型250に対し、1984年登場モデルをベースにした70には古さを感じさせる部分はある。しかし、エンジンが2.8リッターディーゼルターボに変更され、トランスミッションも5速マニュアルから6速ATに改められるなど、確実な性能アップを実現している。
実際に70型ランクルのファンも多く、リニューアル前の1ナンバー(貨物車扱いのため毎年車検などが必要)から3ナンバーに変更されたことも追い風になる。
新型250と復刻70の販売価格はまだ正式発表されていないが、両車の価格は拮抗しそうだとのウワサもある。これはランクル購入を考えているマニアにとって悩ましいポイントになるかもしれない。
気になる日本国内時期は2024年といわれている。大成功作と呼べるプラドの後継車たる250と、待望の復活を果たす70がどのように国内市場に受け入れられるのか興味は尽きない。
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