相手を苛つかせることも!? サンキューハザードの利点と欠点

相手を苛つかせることも!? サンキューハザードの利点と欠点

 本線を走るクルマに譲ってもらったときなどに、譲ってくれたドライバーに「ありがとう」を伝えるとき、あなたはどのように伝えますか?? アイコンタクトや会釈、手を上げるなどいくつか方法がありますが、なかでもハザードランプを2~3回点灯させる「サンキューハザード」で謝意を伝える人が多いように感じます。

 しかしながら、このサンキューハザードに関しては、反対派の人も少なくないそう。サンキューハザード反対派の意見をご紹介しながら、サンキューハザードを使う際の注意点についても触れていきます。

文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_望菜 竹内
写真:Adobe Stock、写真AC

相手が見えない時でも謝意を伝えることができる

 SNSなどで、サンキューハザードに関する意見を調べてみたところ、賛成派の意見としては、「トラックだと手をあげても相手のドライバーには見えないかもしれないので、サンキューハザードはいい」とするものや、「自分が道を譲ったとき、サンキューハザードをしてくれると嬉しいから、自分もやる」、「サンキューバザードはマナーだと教わった」というものが多くみられました。

 肯定派の意見にあるとおり、サンキューハザードのメリットは、道を譲ってくれたドライバーの姿が見えない場合でも、「ありがとう」を伝えることができること。高速道路への本線合流や、渋滞中の進路変更、夜間の走行時など、相手の顔が見えないような状況では、アイコンタクトはおろか、会釈しても手を上げても、相手からはこちらの様子を確認することはできず、このような場合でも確認してもらえるサンキューハザードは、効果的だといえます。

 以前は、「ピッピッ!!」と、クラクションを短めに鳴らすことで「ありがとう」を伝えているドライバーも多かったですが、短めとはいえうるさい、歩行者を驚かせてしまうなど、周囲に配慮するためか、昨今はサンキューハザードに置き換わってきているように思います。

サンキューハザードのメリットは、道を譲ってくれたドライバーの姿が見えない場合でも、「ありがとう」を伝えることができること(PHOTO:写真AC_ソライロ)
サンキューハザードのメリットは、道を譲ってくれたドライバーの姿が見えない場合でも、「ありがとう」を伝えることができること(PHOTO:写真AC_ソライロ)

「ハザードは緊急時に使うものであり、謝意を伝えるために使うべきではない」との声も

 一方の反対派の意見としては、「ハザードランプは「非常点滅表示灯」であり、緊急時に使うもので、謝意を伝えるために使うべきではない」とするものや「サンキューハザードを出せば無謀な割込みをしてもOK、と考えているドライバーがいる」というもの、また、「道を譲ったことくらいで、わざわざハザードランプのスイッチを操作するのは危ない」とするものもありました。

 たしかに、サンキューハザードは、ハザードランプの本来の使い方ではありません。ただ、これだけ定着してきている現状を考えれば、道を譲る行為があってからのハザードであれば、非常事態を伝えるものではなく、謝意を伝えるものである可能性が高いことは、状況から理解するのは難しいことではないと感じます。

 ただ、「サンキューハザードすれば無謀な割込みをしてもいいと考えているドライバーがいる」というのは、確かにそうだと感じます。合流のタイミングが合っていない(前へ合流させるつもりはなかった)のに、無謀な割込みをされ、そのあとにサンキューハザードをされても、こちらは不快に感じているわけで、毎回、仏の心で受け止めきれるとは限りません。

「ハザードを出せば無理な割り込みをしても許されると思っているドライバーがいる」とする反対派の意見は理解できる(PHOTO:Adobe Stock_mitifoto)
「ハザードを出せば無理な割り込みをしても許されると思っているドライバーがいる」とする反対派の意見は理解できる(PHOTO:Adobe Stock_mitifoto)

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