かつてはバンもクーペも種類豊富だったがここ数十年はセダンのイメージが強いクラウンだが、新型になりクロスオーバーとなり新時代の幕開けとなった。形状が変わったことで使い勝手はどのように変わったのか? 細かくチェックしていこう!
※本稿は2023年7月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年8月26日号
■使い勝手はほぼセダン!
クラウンクロスオーバーは使い勝手の実用テストのみ(燃費は参考値)。で、このクラウンクロスオーバー、全高は1540mmと旧型クラウンに対し85mm高いだけなので、実用上はほとんどセダン。
実はここがポイントで、普通のセダンより少しアイポイントが高いが、SUVほど乗降性が悪くないのでセダン慣れした人にも安心の使い勝手。
それから全長4930×全幅1840mmの大柄ボディながら、後輪を操舵する4WSのDRSが標準装着されるため、小回り性能に優れているのは特筆ポイントだ。
室内スペースについては、FF化されたことでリアシートの居住スペースは余裕が出たのは歓迎だが、座面が掘り込まれた形状なので快適性を損なう。数少ない欠点として、今後の改善を望むところ。
■各種使い勝手テストの結果は?
●燃費テスト結果(参考値)
・WLTCモード燃費:15.7km
・燃費・編集部→三鷹:―
・燃費・区間1(都市部一般道):12.0km/L(25.6km)
・燃費・区間2(高速道路):15.7km/L(29.5km)
・燃費・区間3(郊外一般道):13.0km/L(27.3km)
・燃費・WLTC準拠総合:13.5km/L(82.4km)
●前方視界テスト
・正面視界:口から上が見える
・左側方視界:「飛び出し注意」まで見える
・Aピラー死角:185cm離れた位置で隠れる
クラウンクロスオーバーは独立したトランクスペースを備えるセダンだが、全高は1540mmと高めで、ボンネットは水平基調だ。したがって前方の背の低い障害物は見えにくい。
飛び出し坊やは、口から上は見えたが、インプレッサやプリウスと違って低い位置は隠れる。左前方で見えるのは、飛び出し注意の文字だ。プリウスに近いが、インプレッサに比べると見えにくい。Aピラーの隠れる位置は、インプレッサと同じ185cmだ。
つまり前方はボンネットの高いSUVの見え方だが、側方はセダンに近い。周囲の見え方は、背の高い車種と低いクルマの中間に位置する。
●小回り性能テスト:11.55m
全長4900mmながらこの数値を達成できているのは4WSのお陰
●駐車のしやすさテスト:74点
1840mmとワイドだが、4WS付きで小回りがきき、見切りもよく予想外に駐車しやすい。
●室内空間ドラポジチェック
運転姿勢は、着座位置などがセダンに近く、調節機能も豊富だから快適だ。ATレバーの操作性はいま一歩。オーディオのスイッチも扱いにくい。エアコンはタッチパネルではなく直感的に操作できていい。
後席は床から座面上面までの高さが28cmにとどまって腰が下がるが、膝先空間は広く、前述の測り方で握りコブシ3つ弱だ。
●クラウンクロスオーバー RS Advanced主要諸元
・価格:640万円
・WLTCモード燃費:15.7km/L
・全長:4930mm
・全幅:1840mm
・全高:1540mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:1920kg
・最小回転半径:5.4m
・最低地上高:145mm
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ、2393cc
・最高出力:272ps/6000rpm
・最大トルク:46.9kgm/2000-3000rpm
・モーター出力/トルク:F:82.9ps/29.8kgm R:80.2ps/17.2kgm
・サスペンション:ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:225/45R21
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