■最大の課題である燃費をどうするのか?
最大の課題は燃費。ロータリーエンジンって燃焼室の形状が悪い。理想は球形なのだけれど、イラストを見ていただければわかるとおり、妙なカタチをしている。特に両サイドは混合気が届きにくく、燃えにくい。
排気ガス対策をすることすら難しく。当然ながら熱効率の追求は困難。実際、MX-30ロータリーEVのハイブリッド燃費(e-POWERと同じくエンジンを使って走るシリーズハイブリッド)は悪い。
カタログデータを見るとハイブリッドモードだと15.4km/L。ほぼ同じ車重となるセレナe-POWERの20.6km/Lに遠く及ばない。前述のとおり、ハイブリッドモードは日産e-POWERと同じシリーズハイブリッド。
なんで燃費が違うかとなれば、エンジンの熱効率が悪いからだ。参考までに書いておくとセレナだってノアと比べたら燃費悪い。ノア、23.4km/Lです。30%も悪い!
ただ、PHEVの場合、大半は電気で走ると思う。RAV4 PHVやプリウスPHEV、アウトランダーPHEVに乗っている知人に話を聞くと、半年くらいガソリンを補給していない人もいるほど。平均して2カ月に1度くらいだったりする。
■エンジンを事前撮影会でかけさせなかった理由は3つあり
となれば、燃費の悪さはそれほど決定的な弱点にならないかもしれない。いずれにしろジックリ乗ってみてから評価したいと思っています。
興味深いことにMX-30ロータリーEVの事前撮影会ではエンジンをかけさせてくれなかったそうな。想像される理由は3つ。
ひとつはエンジンのかけ止め時に出る「揺れ」。2ローターでもかけ止め時に「ゆらっ」とする。排気量の大きい1ローターだとさらに揺れやすいと思う。モーター制御である程度はコントロールできるだろうが、けっこう難しいんじゃなかろうか。
ふたつ目は排気ガス。冷間時の始動で匂いを出さないようにするのは、相当難しいと思う。1ローターだと触媒の活性化が難しい。電熱ヒーターなどを使っている可能性大。それでも始動直後はハードル高い。マツダの技術力は高いためなんとかする?
最後の3つ目が音。シングルローターだと案外ロータリーらしい音を出すと思う。この3つのどれかに未達成項目があると私は予想してます。
■なぜMX-30にロータリーを搭載したのか?
それより大きな問題はMX-30に搭載したこと。MX-30の兄弟車であるCX-30や、ひと回り大きくなるが共通性の高いプラットフォームを使っているCX-5あたりに搭載し、魅力的な価格設定とすれば案外売れるかもしれない。
なぜ、超不人気のMX-30に搭載してきたのかが最も大きなナゾだったりします。もしかするとロータリーEVはMX-30で最後になるということか?
【画像ギャラリー】復活を果たしたロータリーだが……マツダのクルマ作りは今後どうなるのか?(23枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方ロータリーは水素も使えるから、行く行くは水素化してゼロエミッション!みたいなのも考えているのでは?
水素なら排ガス処理も気にしなくて良いだろうし。
MX-30は近年無難に行きつつあるMAZDAで最も尖った車。市販されたコンセプトの塊、MAZDAの走る実験室です
その車に、MAZDAの歴史上最も先鋭的でたるロータリーの後継が載るのは、似合っていると思いますよ
マツダの説明会を興味深く拝聴しましたが、7年と言われた耐用年数を倍増させ、熱効率も上げてe-POWERの半分くらいから8割近くに進化、完全バランスと小型さによるバッテリー搭載の自由度UPなど長所に納得しました
一方、ロータリー知識がある車好きが興味あって国沢氏も指摘している2Pめの内容はほぼスルーでした
唯一バランス変動が不利で対策が課題なことは認めており、市販化後も製造精度向上させてくみたいです