マツダがこのほど発表したMX-30ロータリーEV。ファン待望のロータリー復活だが、果たしてそれが手放しで喜べることなのかどうか、今後のマツダのクルマ作りについて語ってもらった。
文/国沢光宏、写真/ベストカーWeb編集部
■ロータリー採用の最大のメリットは「コンパクト&滑らか」
マツダがロータリーエンジンを発電機パワーユニットとして使うMX-30ロータリーEVを発表した。そして、一部の役員から「発電機用でないロータリーも考えている」という発言もあったようだ。
果たしてロータリーエンジンに未来はあるのだろうか? そもそもロータリーエンジンについて再考してみたい。まずメリットだけれど、最も大きいのはコンパクト&滑らかなことである。
PHEV用のパワーユニットは一般的に2気筒以上のレシプロエンジンを使う。とはいえ、2気筒だと振動や騒音が気になり、快適かとなれば「いいえ」。BMW i3はスクーター用の650cc2気筒エンジンを発電機用に使っているのだけれど、静かなEV走行からエンジンがかかると賑やか。
しかも650ccじゃ絶対的な出力も足りない。最低で70ps以上ある1200ccクラスの3気筒になると思う。
■PHEV用の発電機エンジンとしては素晴らしいのだが……
ノートに搭載されている日産e-POWERの1200cc3気筒をイメージしてもらえばいい。ノートのボンネットを開けると、普通のエンジンがド~ンと搭載されており、その横に発電機。さらにモーターというレイアウト。
加えてエンジンで走るe-POWERなら3気筒だと気にならないかもしれないが、EV走行主体のPHEVだとエンジンがかかった時の差が大きいかもしれない。
ロータリーエンジンならレシプロの2気筒よりコンパクトながら、4気筒並みにスムーズ。そして1200ccエンジンと同等の出力を出せる。PHEV用の発電機用エンジンとして考えたら物理的なスペックは素晴らしいと思う。
だったら国沢光宏はロータリーエンジンを持ってベストとするかと聞かれたら「条件付きで」と答えておく。ロータリー、弱点もあるからだ。
コメント
コメントの使い方ロータリーは水素も使えるから、行く行くは水素化してゼロエミッション!みたいなのも考えているのでは?
水素なら排ガス処理も気にしなくて良いだろうし。
MX-30は近年無難に行きつつあるMAZDAで最も尖った車。市販されたコンセプトの塊、MAZDAの走る実験室です
その車に、MAZDAの歴史上最も先鋭的でたるロータリーの後継が載るのは、似合っていると思いますよ
マツダの説明会を興味深く拝聴しましたが、7年と言われた耐用年数を倍増させ、熱効率も上げてe-POWERの半分くらいから8割近くに進化、完全バランスと小型さによるバッテリー搭載の自由度UPなど長所に納得しました
一方、ロータリー知識がある車好きが興味あって国沢氏も指摘している2Pめの内容はほぼスルーでした
唯一バランス変動が不利で対策が課題なことは認めており、市販化後も製造精度向上させてくみたいです