1990年代前半、「都会派RV」として洗練されたイメージで多くの「丘(陸)サーファー」を発生させたとされる2代目ハイラックスサーフ。ライバルだった初代テラノ、そして本格派クロカンの2代目パジェロとは違った魅力について振り返ってみたい。
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ
■北米での輸入関税変更で初代にない5ドアモデルをラインナップ
いや、ハイラックスサーフの2代目となるN130系モデルは今思ってもよく売れていた。初代からバトンタッチを受けたのは1989年5月。当時、北米での輸入関税が変更されたことで初代からの3ドアモデル以外に5ドアモデルも設定された。
小型ピックアップモデルのハイラックスをベースにしているのは初代同様だったのだが、初代モデルがトラックの荷台にFRP製キャノピーを載せていたのに対し、この2代目ハイラックスサーフから一般的なスチール製一体ボディに変更し、乗用車ムードを高めたモデルになった。
パワートレーンは5ナンバーモデルが2Lガソリンと2.4Lターボディーゼル、4ナンバーバンには2.8Lディーゼルを設定。デビュー翌年の1990年には当時のライバルだった初代テラノ対策としてV6の3Lガソリン車を追加していた。
■後期型からいきなり都会派RVのイメージに!
前期型モデルはまだまだ初代モデルのボクシーで無骨なイメージを受け継ぐエクステリアデザインを踏襲していた。フロントグリルには「TOYOTA」ロゴが入り、ヘッドライト形状も初代モデルを色濃く反映する四角いハロゲンタイプだった。
そのイメージがいきなり洗練されたのが1991年8月に実施されたマイチェンモデルから。1989年10月に登場した初代セルシオから採用された楕円形を組み合わせたトヨタの新CIマークをフロントグリル内に配置。
また、フロントヘッドライトが異形ヘッドライト化されたほか、ワイドフェンダーと背面スペアタイヤつきの3ナンバー車が新設定された。さらに上級グレードとしてレカロシートと、ルーフスポイラーを装備したSSR-Gが追加された。
このフロントマスクのモダン化に加え、ワイドフェンダーと背面スペアタイヤ採用によるRVイメージがジャストフィット。実際、同様のRVには日産初代テラノが当時すでにあったけど、このハイラックスサーフ後期型モデルの洗練度には個人的には敵わなかった記憶が。
一気に都会派RVとしてのイメージが高まっていった。まあ、見た感じが後期型は一気にあか抜けたし。大ヒットした5代目ファミリア販売時に話題となった「陸(おか)サーファー」(ルーフにサーフボードを載せ、実際には海には行かないのに街乗りだけする)から支持を得ていたのは想像に難くない。
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