ダウンサイジングターボやハイブリッドシステムの普及、そして2ペダルトランスミッションの進化により、昔のスポーツカーの定番であったハイパワー&大排気量のMT車というのはもはや絶滅危惧種となっている。そんな絶滅危惧種の中から、現行でラインアップされているモデルたちをピックアップしてみた。
文/西川昇吾、写真/ベストカー編集部 ほか
■初心者でも乗りやすいMTに(フェアレディZ)
まず、日本人として忘れてはならないのがフェアレディZではないだろうか?最近NISMOが登場したことが話題となっているがコチラはATのみ、MTが用意されているのは通常モデルのみだ。
3.0L V6ターボエンジンは最高出力405PS、最大トルク475Nmを発生する。このハイパワーなエンジンを3ペダルで操るFRというのは、現代的に見たら古典的と言えるかもしれない。
だが、それが良いという声はクルマ好き、運転好きならば理解できるだろう。
ハイパワーMTと聞くと扱いづらさを感じるかもしれないが、フェアレディZは低速トルクがあり、クラッチのミートポイントも気難しさがないため発進もしやすい。
またシフトチェンジ時にエンジンの回転数を合わせてくれるシンクロレブコントロールも優秀だ。初心者にも乗りやすいMTなのも魅力的なポイントだ。
■今では珍しいFR+直6の組み合わせ(GRスープラ)
フェアレディZのライバルとして取り上げられることが多いGRスープラも数少ないハイパワーMTモデルの一つだ。
「MT」のGRスープラの特徴と言えるポイントは、市場からの強い要望と期待に応えてのMTモデル追加というところではないだろうか。
登場当初はATのみのGRスープラだったが、「GRスープラにもMTを」「(兄弟車の)Z4にもMT設定がある市場が存在するから、GRスープラもMT仕様を出してほしい」そんな熱烈なMTへの支持を受けて登場したのだ。
3.0L直列6気筒ターボのトップグレードRZのみにしかMTは設定されていないものの、最高出力387PS、最大トルク500NmのハイパワーFRをMTで操ることが出来る。
また、賛否両論あるかもしれないが、GRスープラはBMWと共に共同開発された。近年の自動車やハイパフォーマンスカーを取り巻く環境の変化から、FR&直6というBMWらしい組み合わせはBMWのラインアップでも珍しくなってきた。
今どきクーペやセダンの由緒正しい「M」でも4駆になる時代だ。そんな中、FR&直6でボディ剛性に優れるクーペボディをMTで楽しめるGRスープラは、BMWよりもBMWらしいと言えるかもしれない。
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