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日本のスポーツカーのイメージを変えた ホンダNSX(NA1)

 1990年に登場した初代NSXは、3.0L V6DOHC VTECエンジンをミッドシップに搭載した2シーターで、オールアルミモノコックボディ、ハンドリングにこだわった本格的な高級スポーツカーというコンセプトで登場したモデルだ。1グレードのみの新車販売価格は800万円と、当時のスポーツカーとしては日本の最高価格をつけ、話題となった。

 ミッドシップレイアウトであるにも関わらず、エンジン後方にさらにトランクを備えているという独特のパッケージングであるため、キャビン後方のセクションが非常に長いという特別なスタイリングだったが、初代NSXは間違いなく、日本のスポーツカーのイメージを根底から覆してくれたモデルだ。また、世界初のアルミ製軽量高剛性ボディは、すでにF1で実証済みであるホンダの高い技術力が惜しみなくフィードバックされたものであり、並の高級スポーツカーではないことを世界に知らしめた。

 中古車相場価格は、修復歴なしでやや程度の良いものに乗ろうと思ったら、30年以上前の年式でも新車と同じ800万円以上、フルノーマルで低走行車となると1300万円〜。低走行距離のタイプRとなると2000万円を超える個体もある。ただ、いま買ったとしても、大切に乗れば、ますます価値が上がるに違いない。

1990年に発売された初代NSX。世界で通用するハンドリングマシンでありながら、実用的であることにもこだわった。ゆえのリアセクションの長さである
1990年に発売された初代NSX。世界で通用するハンドリングマシンでありながら、実用的であることにもこだわった。ゆえのリアセクションの長さである

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 これらは、映画「ワイルドスピード」シリーズや、人気マンガ「頭文字D」の作中車として登場したことで人気が上昇し、価格が上がっていることもあるだろう。北米では右ハンドルの日本仕向けのスポーツカーが「JDM(日本市場向け、という意味)」とよばれ、マニアの間で人気となっている。特にR34はいま、北米の「25年ルール(基本的には右ハンドルが輸入禁止だが、製造から25年が経過していればクラシックカーとして登録できるという制度)」が解禁されたタイミングにあるために相場が高く、非GT-Rの25GTターボも、相場が爆上がり中だ。

 そのため、安くて上質の個体は、どんどんと海外へ輸出されていってしまっている。販価が高くても、リセールは落ちにくい(むしろ上がる可能性も)クルマばかりなので、「迷う理由が価格ならば買え」ということばもあるように、高くても買って損はない(もしくは少ない)はず。迷っている人は決断してみてもいいかもしれない。

 ※編集部注/生産終了しても世界的に人気を博し、ファンを魅了する日本車は、どれも趣味性の高いモデルばかり。クルマはやはり「個性を象徴するもの」であり続けるのだろう。願わくば、安心安全や環境性能も重視しつつ、クルマ好きに愛されるクルマがたくさん残ってほしい。

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