■VWの新型車は「先端をねじる方式のギアセレクター」を導入
2023年9月1日に発表された、フォルクスワーゲンの新型パサートヴァリアントや、同9月19日に発表となった新型ティグアンでは、コラムレバータイプのギアセレクターが採用されている。
レバー先端をつまみ、回転してシフトチェンジする新方式だ。メルセデスのコラムレバーは上下に押す方式のため、すこし触れるとNレンジに入ってしまうことがあるが、このフォルクスワーゲンの方式であれば、このような誤操作は防げるだろう。
ギアセレクターは、基本的にはDレンジ(Sレンジ)やRレンジ、Pレンジにチェンジするときだけ操作するもの。
操作時以外の時には邪魔にならないステアリングホイール後ろに移動させることで、センターコンソールに、ナビやオーディオ、各種設定を操作するためのコントロールダイヤルを仕込んだり、スマホの充電エリアにしたり、大容量カップホルダーにするなど、より有益に活用できるようになった。
速度コントロールしたい場合に使ってもらえるよう、メルセデスではパドルシフトを積極的に導入している。VWの新型2台はパドルシフトが付くかは確認できていないが、おそらく「GTI」や「R」といった上位機種には備わってくるだろう。
■スタートスイッチをなくしてしまったクルマも!
このように、さまざまなタイプのギアセレクターが混在しているのは、他メーカーと差別化を図るため、自動車メーカー側がよりよいギアセレクトの方式を模索している、ということの現れであろう。
フォルクスワーゲンではさらに、プッシュ式スタートスイッチすら無くしてしまったクルマも登場している。2022年11月に日本発売となったフォルクスワーゲンの最新BEV「ID.4」がそれだ。
スタートスイッチの代わりとなるのは、液晶メーターの右上に設置されているシフトスイッチ。クルマに乗り込んだあと、ブレーキを踏んだ状態で、スイッチをつまんでDドライブ、もしくはRドライブへ回すと、車両のシステム起動と合わせて、走行が可能となる。
走行を終えてPレンジにシフトチェンジをすると、車両はスタンバイ状態となり、シートベルトを外してクルマを降り、ドアを閉じると、シャットダウンする。
この方式は、想像していたよりも使い勝手がよく、試乗の帰りに自分のクルマに乗った際、喪失感(便利すぎて機能がないクルマにはもう戻りたくない)を覚えるほどだった。
まさかスタートスイッチがなくなるとは思わなかったが、BEVはもとより、ハイブリッド車やPHEVといった電動車であれば、同じ機能はすぐにでも採用できるはずだ。
さらには、テスラの新型モデル3では、ウインカーレバーやシフトレバー、スイッチなど全ての機能を、液晶ディスプレイやステアリングスイッチへ埋め込んでしまった。
ここまでやられてしまうと、スムーズにスタートできる気がしないが、ここまで割り切ったUIの操作性は大いに気になる。この先、どんなスイッチがなくなり、どんな操作方法が登場するのか、今後も非常に楽しみだ。
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