ランドクルーザー250の初公開と合わせて発表されたランドクルーザー70の日本市場再導入。待ってました! という声も多く見受けられたが、なぜここまでランドクルーザー70の再販を望む声が多かったのか? そもそもどんな存在なのか? 改めて歴史あるこのモデルに関して振り返ってみてみよう。
文/西川昇吾、写真/TOYOTA
■ランドクルーザー70はどのようなクルマなのか
ランドクルーザー70はランドクルーザー40系の後継モデルとして1984年に登場した。
先代モデルにあたる40系も24年間販売されたロングセラーモデルであり、ランドクルーザーの中でも信頼性の高いクロスカントリーモデルとして、世界中で高い評価を得たモデルであった。
ランドクルーザーは70年を超える歴史を持っているが、その歴史の中で紆余曲折ありステーションワゴン(ランドクルーザー)、ヘビーデューティーモデル(70系)、ライトデューティーモデル(プラド/250系)の3つに分かれた。
そのなかでも1951年に登場した初代BJ系の血統を直系で受け継いでいるのが70系と言える。
日本市場では1984年に登場し、その後マイナーチェンジや細かな改良などはあったものの、フルモデルチェンジをすることなく2004年まで販売され続けた。
しかしながら海外市場向けに生産は継続され続けた。このときには大掛かりな意匠変更が実施され、モダンなフロントフェイスが与えられるようになった。
国内市場でも70系の復活を望む声は多く、ランドクルーザー70誕生30周年を記念して2014年に期間限定で販売された。この時は4ドアバンに加えて、国内では初のダブルキャビンピックアップトラックも追加された。
■誰もが再販を待ち望んだランドクルーザー70系の魅力
国内では販売が終了しても熱い声により期間限定で復活した70系。そして今回は期間限定ではなく、継続販売モデルとして復活した。
なぜメーカーが再販を実施するほど厚い支持があるのだろうか?それは悪路走破性や耐久性が高くタフと言われているランドクルーザーシリーズの中でも、最もタフなヘビーデューティーモデルだからである。
ランドクルーザー70を求める人の多くは仕事で使用したり、クロカンオフロードマニアだったりする。
つまりユーザー層も本格派であり、道具としてタフさを求めている層なのだ。爆発的な需要こそないものの、絶対的に一定の需要があると分かっているからこそ再販に踏み切ったと言えるだろう。
なぜ、70は他のランドクルーザーシリーズに比べて本格派と呼ばれるのだろうか?それは進化をしても決して変わらない基本的なメカニズムにあるだろう。
本格クロカンモデルの通行手形とも言えるラダーフレームを採用しているポイントは他のランドクルーザーシリーズと変わらないが、パートタイム4WDやリジットサスペンションなど高いオフロードを実現すると言われている各種古典的なメカニズムを一貫して採用し続けているのだ。
古典的とも言えるが、耐久性などを重視される商用車や先代プラド、ハイラックスなどで採用されていて実績のある既存の4気筒ディーゼルターボエンジンを採用するあたりにも、耐久性にこだわるが故の、あえての保守性を感じる。
また、スクエア基調な変わることのないボディデザインも同様のポイントだ。オフロード走行では車両感覚が掴みやすいことは重要なポイントである。
多少ぶつけてしまっても修理しやすいことも求められる性能と言える。
そう、70系はファッションアイテムではなく、道具として優れているから本格派と呼ばれるのだ。
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