日産はターボとスーパーチャージャーの「ダブル過給」!! マツダのロータリーも……超画期的でも普及しなかったエンジン技術6選

■マツダ ロータリーエンジン

ロータリーは世界でマツダだけが実用化(主な搭載車:コスモスポーツ、RX-7など)
ロータリーは世界でマツダだけが実用化(主な搭載車:コスモスポーツ、RX-7など)

・こんな技術

 内燃機関の出力を上げるには、許容回転数を上げるのが王道。ところが、それを阻むのが、往復運動するピストンと複雑なバルブ回りだ。REは、そういうボトルネックをすべてなくした夢のエンジンだったんだよねぇ。

・普及しなかった理由&現状

馬力こそ正義という1960年代に生まれたロータリーエンジン
馬力こそ正義という1960年代に生まれたロータリーエンジン

 ロータリーエンジン(RE)が生まれた1960年代は、馬力こそ正義という時代。そこに颯爽と登場したREは、7000回転以上までストレスなく吹け上がるパワフルさで、当時のレシプロを圧倒した。

 が、1973年の第一次石油ショックで暗転。ガソリン価格高騰で燃費の悪さが敬遠され、以後はスポーツカー専用エンジンとして生き残りを模索するも、2012年で生産が終了したのはご存知のとおりだ。

発電専用としてロータリーエンジンがMX-30で復活
発電専用としてロータリーエンジンがMX-30で復活

 そのREがシリーズハイブリッドの発電専用エンジンとして復活するという。コンパクトでスムーズというREのもうひとつの魅力に光が当たったということですね。

■三菱 5バルブエンジン

三菱 5バルブエンジン(主な搭載車:ミニカダンガン)
三菱 5バルブエンジン(主な搭載車:ミニカダンガン)

 どれだけ効率よく空気を吸い込めるかで、エンジンの性能はだいたい決まる。吸気1、排気1の2バルブより、それを2個ずつにした4バルブが有利なのは自明の理。要は合計バルブ面積をいかに大きくするかが勝負なのだ。

4バルブから5バルブは、2バルブから4バルブほどの効果は得られなかった
4バルブから5バルブは、2バルブから4バルブほどの効果は得られなかった

 それをさらに進めて吸気3バルブとしたのが5バルブ。日本ではヤマハが熱心で、その影響でトヨタや三菱が量産化。2→4は大進歩だったが、4→5は費用対効果の面で微妙で、普及しなかった。

■日産 ツインチャージャー

日産 ツインチャージャー(主な搭載車:マーチスーパーターボ)
日産 ツインチャージャー(主な搭載車:マーチスーパーターボ)

 アクセルを踏んでもすぐ反応しないのが“ターボラグ”だが、ツインチャージャーはその対策として生まれた技術だ。レスポンスに優れるベルト駆動スーパーチャージャー(S/C)を追加し、低速域はS/C、中高速域はターボと役割分担。全域でフラットなトルクと優れたレスポンスを実現。

マーチスーパーターボは930ccでありながらツインチャージャーにより最高出力110ps、トルクは13.3kgmを発揮するMA09ERTエンジンを搭載
マーチスーパーターボは930ccでありながらツインチャージャーにより最高出力110ps、トルクは13.3kgmを発揮するMA09ERTエンジンを搭載

 1988年のマーチスーパーターボが日本唯一の実用例だが、最近は燃費改善技術としてVWやメルセデスなどが採用。高コストながら魅力的。

■マツダ プレッシャーウェーブスーパーチャージャー

マツダのみが実用化したプレッシャーウェーブスーパーチャージャー(主な搭載車:5代目カペラ、クロノス)
マツダのみが実用化したプレッシャーウェーブスーパーチャージャー(主な搭載車:5代目カペラ、クロノス)

 原理の説明がめちゃくちゃ難しい過給器が、プレッシャーウェーブスーパーチャージャー(PWS)だ。

 無理を承知でざっくり解説するなら、ターボと機械駆動スーパーチャージャーのいいとこ取り。排気エネルギーを圧力波(プレッシャーウェーブ)のカタチで利用し、吸気圧力を高めてシリンダーに送り込む。

 ただし、理論は優れているのだが……の典型。バルブのメンテも大変で実用例はマツダのみ(笑)

【画像ギャラリー】どれも画期的!! でもメジャーにならなかったものも……エンジンにまつわる名技術をチェック!!(22枚)画像ギャラリー

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