■トヨタ アルファード…210.5%(1月前年同月比)
●ナゼ前年比が激増?
2018年10月に改良を施した。安全装備のインテリジェントクリアランスソナーを全車に装着するなど、機能を充実させている。これをきっかけに、売れゆきも持ち直した。
そして昨年1月の対前年比は、89.4%で下降していたから、今年の1月は比率で見ると210.5%に達した。
またアルファードの納期は2~3カ月と不安定に長く、登録台数が急増することがある。アルファードは法人営業の強いトヨペット店の扱い車種だから、景気の上昇に伴って、社用車の需要が増える傾向も見られる。これらの相乗効果で対前年比が伸びた。
「異常あり度」…★★☆☆☆
■マツダ デミオ…69.2%(2月前年同月比)
●ナゼ前年比が激減?
2018年8月に1.3Lのガソリンエンジンを1.5Lに拡大するなどの改良を行った。この効果で同年10月は対前年比が136.7%、11月には172.8%に伸びたが、12月は48.1%へ急落している。
デミオは2017年11月にも改良を行い、翌月の対前年比を140.1%に伸ばしていたからだ。つまり改良して売れゆきが伸びると、翌年は対前年比がマイナスになってしまう。これを繰り返している。
そして改良のない今年は1月の対前年比が61.4%にとどまり、2月も69.2%だ。デミオの魅力が薄れ、改良をしない限り、売れゆきを保てない状況に陥った。
「異常あり度」…★☆☆☆☆
■三菱 eK(シリーズ)…120.1%(1月前年同月比)
●ナゼ前年比が激増した?
先代eKの販売台数は、ダイハツキャストと同等だから、販売ランキング順位は低い。ただしeKは、軽自動車でも業販店(修理工場などに併設された小さな販売店)で売られる台数が少なく、ディーラーが中心になる。
その三菱ディーラーの店舗が減り、今は500箇所以下だ。2000店舗を超えるホンダや日産に比べると大幅に少ない。
そこまで考えると、今年1月に4164台なら健闘している。
対前年比が120%に増えたのは、フルモデルチェンジを控えて、在庫車を大幅値引きで売ったためだ。軽自動車の場合、価格の安さを重視して、大幅値引きの先代型を買うユーザーも多い。
「異常あり度」…★☆☆☆☆
* * *
■増減の激しい前年比には傾向あり!
月販台数に併記される「対前年比」とは、前年と比べた増減の度合いを示す数字だ。
対前年比が増えた時は、過去1年間にフルモデルチェンジや大幅改良が行われた可能性が高い。商品力を高めずに、対前年比が伸びることは考えにくいからだ。一方、販売台数が極端に少ない車種は、生産の都合で台数が少し減少しただけで、対前年比が大きく変わることがある。
また、改良などが実施されなければ対前年比が下がるわけだが、大幅に減った時はさらに要因がある。前年の販売台数が改良などによって大幅に増えていると、本年の前年比は反動で大きく下がりやすい。
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