メーカーにとっては、やはり不幸な時代だった
280馬力自主規制は、事故件数を見ながら見直しされるものであったそうだが、交通死亡事故の数はなかなか減っていかず、規制導入から14年が経過した2004年、ようやく落ち着いたとして300馬力超のホンダ「レジェンド」がデビューし、280馬力自主規制は終わることになった。
交通死亡事故の急増と、国産メーカーによるハイパワー競争が問題視されたことで始まった280馬力自主規制だが、そもそも、エンジンの最高出力を規制することで交通死亡事故が減るという根拠はなく、国産高級車やスポーツカーがグローバルで戦っていくための大切な牙を抜くことになってしまった。もちろんこの間、いまや世界一の技術を誇るハイブリッドシステムの開発や、ミニバンやSUVブームに乗じて多くの名車が誕生したりと、いまの国産メーカーの強みが磨かれたと考えることもできるが、規制がなかったとしても、国産メーカー各社ならば、それなりにできていただろう。やはり、280馬力自主規制は、日本車にとって不幸な規制だったと筆者は思う。
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コメント
コメントの使い方280馬力規制時代は黒歴史以外の何者でもなかったと思う。高出力な車ばかりが交通事故を引き起こしている訳ではないことなど、一般常識のある人ならすぐ気付こうというもの。しかも大排気量の車が280馬力「しか」出ない、というのは逆にエネルギー効率の悪いものとされ、わざわざ出力を抑えなければならないのが無駄な努力となり、海外と比して日本の自動車の技術革新の停滞を招いたのは明らか。