北米仕様に用意される3ペダル6MTを搭載したスバル WRX S4の走りは!? CVTでは味わえない魅力を堪能できる北米版スバル WRX S4をアメリカで試乗した。
※本稿は2023年10月のものです
文/鈴木直也、写真/SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年11月10日号
■日本には存在しない6MT仕様のWRX S4に乗る!
諸般の事情で輸出専用となっている日本車が存在する。
そもそも開発コンセプトが海外向けといったケースは致し方ないが、ときどき「えー、コレ日本でも売ってくれたらみんな喜ぶのに!」と残念に思うクルマもあったりする。その最たる例にロサンゼルスで試乗してきた。
そのクルマの名前はそう、おなじみスバルのWRX S4だ。
なーんだ日本でも売ってるジャンと言うなかれ。今回試乗した左ハンドルのWRX S4は、日本には存在しない6MT仕様なのだ。
エンジンのスペックがわずかに異なるものの、北米仕様WRX S4はミッション以外ほぼ日本仕様と共通。
それもあって、「最近はスバルのAT(CVT)もよくなってきたから、以前ほどの差はないのでは?」とも思ったのだが、実際に試乗してみるとこの予想は大外れ。
個人的な好みですが「もし選べるなら絶対にMTを買う」と即答するくらい、スポーツドライビングの魅力度に差があると感じたのだった。
何がそう思わせたのか? ひと口で言うなら「あらゆる操作にクルマがダイレクトに反応してくれる面白さ」とでも申しましょうか。ドライバーの要求に応えるクルマ側のバランスが素晴らしいのだ。
■ダイレクトなクルマの動きはMTならではの魅力!
最近のスポーツカーは高性能車になればなるほど「乗せられてる感」が強く、アクセルは踏むだけ、ハンドルは切るだけ、的な走りになりがち。
しかし、このWRXは271hp/36kgmというかなりの高性能車にもかかわらず、ぎりぎり「コイツなら思いどおり操れる」というレベルに収まっているし、ワインディングでもそれを実感した。
「ATじゃダメなの?」という疑問もあるかもしれないが、ドライバーが任意のタイミングでマニュアルに操作するシフトワークこそが、クルマの走りにメリハリをつけているという感覚。
これはやっぱり、乗って体感してもらうしかないMTならではのファン・トゥ・ドライブ性で、アメリカでひさびさにその醍醐味を思い出してしまったのだった!!
この面白さは限界ウンヌンに限ったことではなく、地下駐車場から路上へ乗り出すだけで雰囲気の盛り上がり方がぜんぜん違う。
ヴロロロロと重低音を響かせる2.4Lフラット4ターボのサウンドが壁に反響するロサンゼルス空港の地下道とか、もうワイルドスピードの世界。
一発シフトダウンを決めてレッドゾーンまで引っ張る快感とか、何年かぶりのやんちゃなドライビングを楽しんでしまったのでありました。
株式会社SUBARU様におかれましては、是非ともこの6MTの国内販売を実現していただきたいものです。
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