■FF車を高級車に変える4WDマジック!!
なぜGA-Kは人気なのか。理由は4WDにありそうだ。
一般的に、前輪駆動は高級車には向かないとされてきた。近年は足回りや操舵系の進化でFFの走りも格段に洗練されてきたが、それでもFFと聞くと敬遠する高級車ユーザーは少なくないのだ。
そんなイメージを払拭するのが4WD化だ。基本レイアウトがFFでも、4輪駆動とすることでFRのような走行フィールが作り出せる。
技術が進化し、前後輪の駆動トルクを自在に配分できるようになったことも、この効果に一役買ったことだろう。
実際、GA-Kを使った高級指向のクルマは、すべて4WD化されている。クラウンクロスオーバーしかり、新型センチュリーしかりだ。
プロペラシャフトをもたないモーター駆動による4WDシステムもトヨタは熟成させているので、今後はクラウンクロスオーバーが搭載したeアクスル型の4WDも、いっそう増えてくるだろう。
FRライクな走りさえ生み出すことができれば、GA-Kプラットフォームはいいことづくめだ。低重心で剛性も充分だし、なにより広大な室内が作れる。
新型センチュリーのほぼフルフラットになるリアシートも、GA-Kが生んだ賜物といえるだろう。
■アウディクワトロが草分け!?
前輪駆動を4輪駆動化することで高級車を作る。この発想を乗用車の世界に持ち込んだのはドイツのアウディだろう。いうまでもない「クワトロ」である。
もともとアウディは先進技術に前向きで、構造が単純化できる前輪駆動を戦前の1933年に採用している。とはいえアウディのFFはエンジンを縦に置く特殊なレイアウトで、これが後々の4WD化に役立つことになった。
アウディのドライブトレーンを4WD化しようと思い立ったのは、ポルシェから移籍したフェルディナント・ピエヒ。それまでオフロード車の専売特許だった4WDを乗用車に積み、パワーをより効率的に路面に伝えようと考えたことは慧眼だった。
クワトロは当初スポーツカーに採用されたが、1980年代になるとアウディはクワトロのフルラインナップ化に乗り出す。なかでも威力を発揮したのが、アウディ100/200が受け持っていたアッパーミディアム市場だ。
ライバルとなるメルセデスのEクラスやBMW5シリーズが後輪駆動なのに対し、100/200は前輪駆動。この分の悪さがクワトロによって覆され、アウディは後にA6/A8という高級車作りに成功したのだ。
いまやクワトロは、傘下のベントレーも採用している。もはや4WDは高級車の必須装備といえよう。
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