冬を控えたこの季節は、クルマも衣替えをする季節。特に雪国に住む方々は、続々とスタッドレスタイヤに履き替えているころではないでしょうか。
積雪している路を走行することができるスタッドレスタイヤは、冬に履くことから「ウインタータイヤ」ともいわれ、これに対して一般的なノーマルタイヤは「サマータイヤ」ともいいますが、昨今はこの両方の季節に対応する「オールシーズンタイヤ」というものが登場しています。一年中履き替えが必要ないとなると、手軽でコスパに優れるように感じますが、はたしてオールシーズンタイヤはお得なのか!?? また、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤの代わりになるのか!?? オールシーズンタイヤでいいケースと、オールシーズンタイヤではダメなケースをご紹介します。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_promolink
写真:MICHELIN、Adobe Stock、写真AC
ここ2~3年で一気に進化
昨今、多くのタイヤメーカーから、オールシーズンタイヤが登場しています。たとえば、ウインタータイヤのBLIZZAKで有名なブリヂストンからは「マルチウェザー」というオールシーズンタイヤが、ダンロップからは「オールシーズンMAXX AS1」、ミシュランからは「クロスクライメート2」、トーヨータイヤからは「オープンカントリーAT III」、ヨコハマタイヤからは「ブルーアース-4S AW21」など。どのメーカーのオールシーズンタイヤも、ここ2~3年のうちに、スノー性能が飛躍的に進化しています。
オールシーズンタイヤは、ドライ路面とウェット路面でのグリップと制動能力を考えればよいサマータイヤと違い、積雪路やウェット路面でも効果を発揮するよう、トレッドパターンやゴム成分配合をつくり込む必要があります。そのため、オールシーズンタイヤ本体は非常に凝ったつくりをしており、その分、価格もサマータイヤより高く、ウインタータイヤと同程度な製品が多いようです。以前ミシュランの試乗会に参加した際に話を聞いたオールシーズンタイヤ開発担当エンジニアの方も「圧雪路のような冬道に特化してつくるスタッドレスタイヤよりも、四季を通じて満足のいく走りを実現しなければならないオールシーズンタイヤのほうが開発は難しい」としていました。
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