道路工事や建設現場を通りがかったときに見かけるあの黄色い機械。アレらは一体何で、どんな仕事をしているのか? 建築・建設・土木関係のお仕事に従事している、というくらいまではわかるけど、具体的な役割は?
※本稿は2023年10月のものです
編集制作/末永高章、中山修一
初出:『ベストカー』2023年11月26日号
■イメージは「黄色い巨大ロボット」
それぞれが独特の形状をしている建設機械→建機は、全国各所で目にするなかなか目立った存在だ。道路や建物、地盤などを造ったり壊したりする仕事に従事していることは何となくわかっていても、ただ黄色の巨大ロボットっぽい機械であるというだろう。
人型の機械(ロボット)だとマルチな仕事ができそうだが、建機の場合は個々がそれぞれの目的に応じた姿をしている。
■油圧ショベル/油圧パワーがハンパない!! 圧倒的な力で人の腕の動きを再現する現場の“斬り込み隊長”
足元はクローラー(日本語でいうと履帯)、太くて巨大なモノアームには2つの関節を持ち、手元はバスタブのようなバケット。車体がクルクルと回るオペレーションで、土砂や廃材などの資材を掘って掬って持ち上げる作業に従事する。現場における地盤作業の主役はなんといってもこの油圧ショベルだ。
街でよく目にするのは、トラックやトレーラーに積載されて道路を移動する、20t級くらいまでのものだが、ガーデニング用の超小型機から、採石場で岩を扱う200t級以上のものまで、サイズのラインナップは多彩だ。
駆体のベースとなっているのは、戦車のように駆動するクローラー。鉄の板で構成された履帯が、勾配のキツい悪路でも力技で走破する。その上にはコックピットたるキャビンが乗っかっている。
ここはオペレーターの仕事場で、2本とのレバーと2つのペダルで走行移動からショベルとしての機能動作まで、すべてを司る場所だ。
■自在に動く怪力の「腕」
そしてキャビンの根元あたりから伸びるのがブームという、人の腕で言うなら上腕といったところか。太くてガッチリとした頼もしい鉄骨が“くの字型”に曲げられており、やはり人の腕で言うなら肘部分の関節へと伸びる。
肘から先の腕はアームと呼ばれ、ブームから接続された油圧シリンダーで本当に肘のように屈折稼動する、オペレーションの中心となる部分だ。
そしてバケットと呼ばれる先端のショベル部分は、アームに接続された油圧シリンダーで屈折する。このバケットの付け根は、いわば手首だ。地面を掘るなら、バケットの先端を円運動させて、圧倒的なパワーで掘る。そして返す円運動で掬い口を上に向け、保持するといった動きを行なう。
バケットが正しく仕事をするには、本体の位置取りと角度、キャビンの向き、ブーム、の動き、そしてアームの扱いの正確さが要求される。これをオペレーターは瞬時に判断して作業を行なうわけだ。
なお、アームの先端はアタッチメント式になっており、ショベル用バケットのほか、蟹のハサミのようなグラップラ、鉄材を拾う電磁石なども用意されている。
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