■ドーザ(ブルドーザ)/ミッチリとした密度感が魅力のフォルム。兎にも角にも“押しまくり”の美学だ!!
ドーザ(ブルドーザ)は、地盤の土や積まれた土砂を均し、土砂のかきおこしや盛土、整地に用いる機械だ。
押し出すパワーは建機のなかでも最もパワフルといえ、先頭のブレード(排土板)で地表を捉え、そのままクローラーによる走行で土壌を掘りながらオペレーションするという、力技で仕事をこなす。
ドーザこそ戦車に最も近い姿をしており、全体比率で見て巨大なクローラーを台座に、上部にキャビンを乗せ、あとは前方のブレードと後方のリッパーという車両構成だ。
後方のリッパーとは、1〜5本程度の強力なツメのことで、地盤に突き刺して耕すような仕事をするパーツだ。
ブレード同様に上下動も自在で、ブレードでは食い付きにくいような堅い地盤でも、油圧パワーでガッチリとツメを突き刺し、そのままクローラー走行をすることで掘り起こすことができる。
■自重を利用して土を押し固める!!
ドーザは自身もオペレーション機能といえる機械だ。ここで紹介する建機のほとんどが、クローラーやホイールが付いた台座は移動用に使用するイメージだが、ドーザの場合はブレード整地にプラスして自重をかけて土壌を締め固めるという作業もメニューとして持っている。
これは機械としての密度が高く、ほかの機械に比べて幅が広いコマで構成されるクローラによるものだ。そして建機としては“飛び出し部分”が少ないことから機動力、小回り性能にも長けていることも適した理由といえる。
ゼロ距離転回である「超信地旋回」も、ドーザならスピンターン並みにこなせ、実稼動中にもわりと頻繁に行なわれている。
■ホイールローダ/バケットに資材をグイグイ押し込んで掬う!! 右左折時には胴体を折り曲げてコンパクトに曲がる!!
先端に幅広のバケットをセットし、クローラー式よりも細かくて素早いフットワークで現場を動き回るホイールローダー。その仕事は地表に盛られた土や石、砂などの資材を別の地点まで運ぶのが主な任務だ。
バケットの動きは、油圧ショベルのように“奥から手前”に掬い取るタイプではなく、正面を向いたバケットに、全体で前進することで押し込むタイプだ。
もちろんそのままではこぼれてしまうので、バケット内に資材が入った瞬間、手首を捻るかのようにしてバケットを持ち上げ、底部を下にして安定させた上で運ぶ。
そのためブームの動きは若干シンプルで、車体のヒンジ部がブームを上げ下げし、ブームには直接バケットをセット。“手首部分”を上下方向にスイングさせることで上記の動きを実現している。
■驚きの操舵法を生み出す「アーティキュレート構造」
そして何より特筆すべき能力はその操舵方法だ。それは本体の胴体が折れ曲がることで右左折を行なっている。後輪側を軸としてキャビン下あたりにある胴体ヒンジを油圧シリンダーで屈折させることで、前部が右に左に向けられる。
その状態で前進後退することで、自動車のフロントタイヤが操舵して曲がるのと同じ効果を得られるのだ。
これをアーティキュレート構造というが、地面に対してはかなりの力技で行うアクションだ。もちろん据え切りも可能。
しかし何故、このような構造をしているかといえば、泥濘地など、本来ならクローラー車でないと厳しいような悪路であっても、操舵によるグリップ力の喪失を防ぎ、高い走破性小回り性能を維持するためのものだ。
なお、先端にはバケットのほかブレードなど、オペーレーションに応じたアタッチメントを装着でき、冬季の道路除雪時などで活躍しているシーンを見ることもできる。
【画像ギャラリー】繊細な操作で発揮する圧倒的パワー!! 知られざる「建機沼」の世界にようこそ!!(20枚)画像ギャラリー
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