右折車の多い交差点に多く見られる「時差式信号」。自分が対面する信号と、対向車側の信号は「同じ色のはず」と思っている人は多い。時差式信号は、渋滞を防ぐために時差によって青信号を延ばす側の右折車を安全に処理し、交通を円滑にしているのだが……。
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/写真AC
■「時差式信号」のタイプは3つ
時差式信号は、左側通行である日本の場合は右折車両の多い交差点(T字路、高速道路の入り口、一方通行との交差点)に主に設置され、その種類には後発式、先発式、右折車分離式がある。
●後発式
最も一般的かつ設置数の多いタイプで、右折車線のある側の青信号が延長され、対向車側は赤信号になる方式。
●先発式
右折車線のある信号が先に青になり、対向車側は赤のまま。右折車線にいる右折車をある程度流した後に、対向車側が青に変わる方式。
●右折車分離式
先に直進と左折の青矢印が点灯し、そののち右折の青矢印が点灯する。通常の青信号では右折車は停止線を越えて交差点内まで進入できるが、右折の青矢印が点灯するまでは右折車は停止線で停止しないといけない。右折の青矢印点灯中は対向車側は赤となっているので、右折のタイミングはわかりやすくなっている。
右折車分離式は交通量の多い都市圏に多く見られ、上下2段となっている信号機。上側は通常の信号機、下側には基本的に左から青の左矢印、青の直進矢印、青の右矢印が並んでいる。また、五差路や六差路などの複雑な交差点では、斜め方向を指すものもある。
ちなみに、2012年4月から、右折可の右矢印信号でも転回(Uターン)は可能となっている(転回禁止の標識がある場所は不可)。それまでの道路交通法では、右矢印信号での転回は禁止で、信号無視で違反だったのだ!
「そんなこと知らなかった……」のは、あなただけでなく、筆者もです。お恥ずかしい。
さて、話を戻そう。このうち、最も危険なのが「後発式」といわれているのだが……。
■なぜ後発式が危険なのか?
先に説明した3つの方式のうち、矢印の出る「右折車分離式」は青の矢印に従えばいいのだからあまり戸惑うことはないだろう。
しかし、後発式の「右折車側の青信号が延長される」場合は、対向車側の信号が果たして赤になっているのかがわかりづらい。自分はいつ右折すればいいのか、タイミングがとりづらいのだ。
自車側が青なのでそのまま右折を開始したら、対向車線の直進車が「最後の飛び込み、ぎりぎりセーフ!」とばかりに猛スピードで交差点に進入し、事故に……なんてこともある。
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