■外見に負けない個性の「美味しそうな」インテリア
インパネモチーフはフランスパンで、甘い香りが漂いそうなアンパンマン色のインパネはもちろん、3本スポークステアリング中央にはブタ鼻のような縦溝が入り、アニメのような世界観。
ディテールもイチイチよくできていて、メーターはわりとフツーだがホワイトパネルのファンシーなものだし、インパネシフトを握った感触はほぼ果物のびわ。ドア内側ハンドルはオシャレな革調ベルト素材で、コイツが20年以上経つのに切れたりベタついてないのも凄い。
また外観デザインのユニークさを感じさせるのが運転席とフロントウィンドウの近さでこの感覚今じゃ味わえない。
かたや、走りも味わいこそは変わらず薄っぺらいが、壊れそうなムードがないのがトヨタの凄さとよさ。骨格は当時の衝撃吸収ボディGOAには当てはまらないヴィッツベース。それだけに凄い剛性感やステアリングフィールこそないが軽快さはなかなか。
ステアリングは軽く、路面の継ぎ目を越える時こそ多少の安っぽさを露呈するが、今乗っても普通に使うには充分。
エンジンは88psに12.5kgmのパワー&トルクを発揮する1.3L直4で、それを4速ATで駆動。正直速くもキレもないが、23年後もフツーに走れるのが奇跡。リアも狭いが大人が乗れるし、トランクも普通に付いてる。
正直マニアック需要がなさ過ぎて値段は安いが壊れないし、こんな面白くて笑えるクルマほかにないかもよ。
■壊れません! 中身はヴィッツなので(笑)
国産大衆レア車からフィアットなど輸入車や旧車を取り揃えるマニアな庶民の味方、栃木のガレージ・コヌマさん。
今やViは全車20年落ち以上だが「WiLLは荒く使われてないし、中身ヴィッツなので壊れません。タマに運転席ドアが下がるくらいで」。「インテリアも丸洗いすればピカピカになる」ので超お気楽!
(ガレージ・コヌマ)
●Kozzi評価
・タイムスリップ度:★★★
・レア度:★★
・お金かかりそう度:★
・乗って楽しい度:★★
今見ても「アニメから飛び出てきた感」はブッチギリ。ただし古さはなし。1万5000台以上売れたのでタマはまだあるし壊れない。
●トヨタ WiLL Vi主要諸元
・カテゴリー:コンパクト5ドアハッチバック
・全長×全幅×全高:3760×1660×1600mm
・ホイールベース:2370mm
・車両重量:950kg
・エンジン:1.3リッター直4DOHC横置き
・最高出力/最大トルク:88ps/12.5kgm
・ギアボックス:コラム式4速AT
・駆動方式:FF
・サスペンション:前/マクファーソン式 後/トーションビーム
・国内累計販売台数:1万5000台以上
・開発テーマ:「かぼちゃの馬車」
コメント
コメントの使い方