■5速AT登場が消えた要因!? 今やジムニーや軽トラ程度に
オーバードライブボタンが消え始めたのは5速ATが登場してからで、操作系を使いやすいものにするため試行錯誤が始まった。
まず1989年のY31セドリック&グロリアのマイナーチェンジモデルで世界初の5速ATを搭載した日産は1速をシフトポジション上の別ボタン。
2、3、4速まで使うDをセレクトポジション上、トップギアとなる5速まで使うオーバードライブボタンをセレクトレバー正面に置くという配置をしばらく採用。
トヨタは1994年登場の2代目セルシオでメルセデスが元祖となるATのゲート式シフトを採用。
5速ATがあった1995年登場の10代目クラウン、1996年登場の100系マークⅡ三兄弟、1997年登場の2代目セルシオのマイナーチェンジモデルではゲート式シフトで対応。
確かに5速ATまでならゲート式シフトで操作性に問題はなかった。
また、5速ATの操作系の対応としてはポルシェ911の964型のティプトロニックが世界初のMTモード付ATや、ステアリングスイッチタイプを含めたパドルシフトで賄うというモデルもあった。
これが2000年代に入り6速ATが登場するとさすがにオーバードライブボタンでは対応できず、6速以上のAT車にはMTモードかパドルシフトが付くようになった。
さらに2000年代になると小型車用というイメージが強かったCVTが2リッター以上の排気量のモデルにも搭載されるなど、CVTを使うモデルが激増した。
そのため今度はAT車に必要なセレクトポジションが減ったのもあり、オーバードライブボタンが付くモデルは一気に減少。
現在オーバードライブボタンがあるモデルは未だ4速ATを使う軽トラックのキャリイ、軽1BOXのエブリイ、ジムニー&ジムニーシエラといったスズキ車。
日産車ではNV200バネットとライトバンのADの4WDくらいとなった。
大事なことを書き忘れたが、オーバードライブボタンはオフにすることでトップギアを使わない≒エンジンブレーキを利かせるためのものでもある。
もしオーバードライブボタン付のクルマに乗ることがあったら、特にアップダウンのある山道などで有効に使ってほしい。
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