■サンキューハザードは道交法違反?
車線変更や合流の際に後続車に譲ってもらった際に、お礼を伝える意味でハザードランプを数回点滅させる。これがいわゆる「サンキューハザード」だ。
サンキューハザードの発祥は1980年代のトラックドライバーからといわれていて、現在ではすっかり定着している。
しかし、ハザードランプは本来駐停車時に使用するものであり、危険な状況を知らせるのが目的ではないサンキューハザードは、厳密にいえば道路交通法違反に問われても仕方ない。
では実際にサンキューハザードが理由で検挙されるかというと、その可能性はきわめて低い。
お礼であることが明らかな状況であって、数回の点滅後にハザードランプをオフにするのであれば、取り締まる側も特に問題視はしてないようだ。
ハンドサインやアイコンタクトでお礼をするのが望ましいが、夜間や状況によってそれらの合図が伝わらないようであれば、サンキューハザードもありだといえる。
ハザードランプでは違法性が気になる、でもお礼はきちんとしたいのであれば、市販の「ありがとうランプ」を装着するという方法もある。
これはスイッチを入れるとリアウィンドウに取り付けられた表示板に「ありがとう」や「Thanks」などの文字が浮き上がるもので、通信販売やカー用品店で購入できる。
なお、サンキューハザードは日本のみで通じる合図であり、海外では通用しないので注意が必要。
■ハザードランプが招く危険な状況
最後は「こんなハザードランプの使い方はNG」という状況を考えてみよう。
●点滅させたままの走行
停車時にハザードランプを使用し、そのままスイッチを切り忘れて発進してしまうことがあるが、これはかなり危険だ。
後続のクルマはハザードランプが点滅していることにより、前のクルマが停車中だと判断して横を通過しようとするが、ここでいきなり発進すると接触する可能性がある。
また、走行中にハザードランプが点滅しているクルマに追いつくと、そのクルマがすぐにどこかに停車すると思い、追い越してよいと考えるケースもある。
しかし、ハザードランプ点滅車のドライバーに停車の意思がない場合、これもまたタイミングが悪いと接触してしまうかもしれない。
停車状態から発進する際には、ハザードランプをオフにするのを忘れないように心がけたい。
●切り忘れによるバッテリーダウン
ウインカーとは違ってハザードランプの作動中に大きな音が出ない。そこでドライバーがハザードランプをオフにするのを忘れて長時間駐車すると、バッテリーがあがってしまい走行不可になることもある。
非常時用の装備であるハザードランプは、エンジンをオフにしても消灯しないしくみになっているため、切り忘れるとバッテリーを最後まで消費してしまう。
実際ランプ類の切り忘れによるバッテリーダウンはよくあるトラブルだが、これを防ぐにはドライバーがクルマを降りる際にランプの消灯確認を行うのを習慣づけるしかない。
うっかりは誰にでもあるが、それが重大な結果を招くことがあるのは、ハザードランプにかぎらず運転全般にいえる。だからこそ、小まめにチェックするのが重要になる。
ハザードランプはその名称どおり、基本的に非常時に使用するものである。サンキューハザードも含めて、ハザードランプを使っていいかどうかの判断を慎重に行うのが交通安全につながる。
【画像ギャラリー】ハザードランプを正しく使って安全確保!!(14枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方