「変態ならでは」?? スイフトスポーツが「日本の宝」と言われる理由と他社ではありえない値段と実力

「変態ならでは」?? スイフトスポーツが「日本の宝」と言われる理由と他社ではありえない値段と実力

 2023年12月6日、スズキの人気コンパクトカー「スイフト」の新型モデルが発表された。コンパクトなボディと優れたシャシー性能、そして価格の安さが魅力のスイフトだが、今回の新型も、税込172万円からという「これぞスイフト!!」という価格など、ファンの期待を裏切らない内容での登場となった。

 そうなると気になるのは、この後登場すると思われるスイフトスポーツ(スイスポ)だ。新型スイフトスポーツ登場をまえに、スイフトスポーツが「日本の宝」と言われる理由と、他社ではありえない値段について振り返ろう。

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:SUZUKI、ベストカー編集部

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スポーツカーにふさわしい剛性と軽量化を実現

 クルマにとって軽量であることは、軽快なハンドリングや俊敏な加速につながり、またブレーキ性能を効率的に引き出せるなど、あらゆる面でメリットがある。とくにコンパクトカーだとその効果は大きい。

 しかしながら、現代のクルマは、重量増につながる安全装備や快適装備、環境性能が厳しいレベルで求められるため、軽量化が難しくなってきている。競技に特化した性能を付与できるレーシングカーとは違い、市販車は、すべてをバランスよく達成しなければならない。

 スイスポはそれを見事に実現させたクルマだ。現行型スイスポは、軽量高剛性のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用し、超高張力鋼板などを広範囲に使用して強固なボディを追求した上で、シートや内装部品の細部まで軽量化を実施。スポーツモデルに必要な剛性を確保しながら970kgという車両重量を達成している(6速MT車)。

 エンジンは1.4L直噴ターボで、最高出力は103kW(140PS)、最大トルクは230Nm。低回転から太いトルクを発揮し、どの回転域でもパワーを感じやすい特性に仕上がっている。クロスレシオのトランスミッション、モンロー製ストラット&ショックアブソーバー、大径ブレーキディスクなど、しっかり路面をとらえるハンドリングが楽しめるチューンもポイントだ。

 高級車のような圧倒される速さではなく、ワインディングでも街乗りでも、高速道路でも気持ちよく走れること。それがスイスポの魅力だ。

この内容のクルマが、200万ちょっとで買える凄さ

 しかしスイスポがすごいのは、それだけではない。こんなに楽しめる軽量スポーツカーが216万4800円〜という価格で買えることこそ、スイスポ最大の魅力であり「日本の宝」といわれる理由だ。

 現在は、コンパクトクラスで走りがいいホットハッチ自体、選択肢があまりない状況だが、国産モデルでいうと一番のライバルになりそうなのはトヨタ「GRヤリス」だろう。WRCのホモロゲーションモデルとして開発され、ベーシックなヤリスとは基本設計から異なる本格的なモデルだが、もっとも価格の安い1.5L 直3ガソリンNA(FF)でも265万円というプライス。

 GRヤリスの装備やシャシー性能を考えると決して高くないのかもしれないが、3ドアで4名乗車となること、エンジンの出力が88kW(120PS)、車両重量が1,130kgでMTが選べず、軽快感が損なわれることなどを考えると、GRヤリスは(スイスポに比べて)贅沢な選択肢に思えてしまう。「ノートオーラNISMO」もライバルといえるかもしれないが、こちらも税込298万円と、スイスポよりも100万円近く高額だ(マーチNISMO S の5MTは182万円と安かったが、既に終売となってしまった)。

 世界的に見ても、たとえばルノー「メガーヌR.S.」やフォルクスワーゲン「ポロGTI」など、走りが楽しめる本格的なコンパクトハッチはあるが、いずれも400万円〜500万円以上と、スイスポと比較できるような価格ではない。原油高騰に伴う原材料の価格上昇で各自動車メーカーが続々と値上げしているなかでこの価格を維持していることを考えれば、スイスポは日本でも世界でもライバル不在、唯一無二の最強モデルだといえる。

スイフトスポーツの魅力は、活発な走りと実用性、そして価格の安さにある。このコスパは他社の追随を許さない
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