昨今、さまざまな技術が生まれ、緻密な制御が可能になったことにより、ATオンリーというスポーツモデルも多い。その一方で「やっぱりMTでしょ!」というこだわりを持つオヤジ世代も少なくない。そんな人たちにぴったりなZ世代のスポーツモデルはこれだ。
文/木内一行、写真/スズキ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ
【画像ギャラリー】Z世代をもうならせるカッコいい!! スポーツモデル5選(18枚)画像ギャラリー■軽いは正義! 速さよりも楽しさ狙いのMR―トヨタ・MR-S
ミドシップ、ライトウエイト、オープン。クルマ好きにしてみればたまらないキーワードのオンパレードだが、これらをすべて備えるのがMR-Sだ。
専用プラットフォームを用いた新しいライトウエイトスポーツのため、トヨタは「MR2の後継ではない」というが、ミドシップ2シーターと聞けばMR2の後継に値するのは明らか。
そんなMR-Sは、操る楽しさと軽快な走りが最大の魅力。それを可能にしたのがミドシップレイアウトなわけだが、1トンを切る軽量ボディも大きく貢献している(後にボディ剛性向上に伴い重量増加)。
エンジンは最高出力140psの1.8リッター直4で、強烈なパワーとは無縁だが、自然吸気らしいフィーリングで軽快な走りをアシスト。
ミッションは当初5MTのみだったが、後に日本初のシーケンシャルMTを追加。さらに、2002年には両者とも5速から6速に変更された。
あくまでも速さよりも楽しさを優先したミドシップ2シーター。それがMR-Sだったのだ。
■原点に立ち返り 輝きを取り戻したS15―日産・シルビア(7代目・S15)
走り好きのオヤジ世代が、若かりし頃にブイブイいわせていたであろうシルビア。
最終型のS15でさえモデルチェンジから四半世紀が経つが、FRならではのファンな走りはいまだに色褪せていないのだ。
S13で大ヒットを記録し、S14では拡大されたボディが不評で人気が下降。しかし、S15では5ナンバーサイズに戻し、ファンを再び振り向かせることに成功した。
そんな原点回帰モデルは、大きなテーマである「運動性能の向上」を達成するべく、サスペンションは従来型からのキャリーオーバーながら、ボディをはじめとする各所の剛性を高めてシャープで素直なハンドリングを実現。
剛性感のあるブレーキやドライバーをその気にさせるエキゾーストサウンドなど、純粋に走りが楽しめるパッケージに仕立てられた。
エンジンもS14と同じSR20系ながらパワーアップし、ターボは250ps、自然吸気は165ps(ATはそれぞれ225ps/160ps)を発揮。
ターボには新開発の6MTが組み合わされ、走りにいっそう磨きをかけたのである。
ただし、2002年には排ガス規制のあおりを受けて生産終了。いまでも復活を望むファンは多い。
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