プリウス、ハリアー…ライバル車を徹底研究し販売戦略で勝ったクルマたち

■アルテッツァとハリアーはレクサスの日本仕様として頑張った

【アルテッツァ】(発売:1998年)

 海外の初代レクサスISは、日本ではアルテッツァを名乗った。全長が4400mmだから、当時のカローラセダンよりも少し長い程度だが、駆動方式は後輪駆動を採用する。

 プラットフォームは上級車種向けで、車両重量が1300kgを上まわったが、コンパクトで上質なスポーツセダンであった。

「第二のハチロク」などと自動車雑誌は騒いだものの、実際は高級感も持ち合わせたセダンだった。6気筒モデルも用意された

 エンジンは2Lで、消費税別の価格は直列6気筒のAS200が207万円、性能の高い直列4気筒のRS200が224万円だ。

 当時の2Lエンジンを積んだマークIIグランデが235万円だったから、アルテッツァはレクサスの日本版となるスポーティモデルとしては割安で、高い人気を得た。

【現行ハリアー】(発売:2013年)

 現在売られているトヨタ車で、マーケティングが巧みだと感じたのは現行ハリアーだ。もともとハリアーは、レクサスRXの日本国内仕様だったが、2005年にはレクサスが国内でも開業した。

 2009年には先代レクサスRXが日本でもレクサスの店舗から発売され、この時点でハリアーは消滅するはずだった。

レクサスRXの発売で存在が危ぶまれたハリアーだが、トヨタはハリアーを残す決断をした。この決断は多くのユーザーに支持されいまだに売れ筋モデルだ

 ところがハリアーはトヨペット店の専売車種として堅調に売れており、2009年以降も継続して売り続けた。つまり新型レクサスRXと、先代RXの日本版となるハリアーが新旧併売されていた。

 そして2013年になると、非常に珍しい日本向けの上級SUVとして、レクサスRXから独立した現行ハリアーが発売されている。

 この柔軟な対応は、従来とは違う市場動向に沿った新しいマーケティング戦略であった。現行ハリアーは日本のユーザーの心に響く高級感を備え、今でも人気車になっている。

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