頑固なまでの「現状維持」が奏功した!? 期待以上に成功したクルマたち4選

■誕生から40年を超えて愛された頑固なクルマたち

頑固なまでの現状維持が奏功した!? 期待以上に成功したクルマたち4選
20世紀の名車として知られ、日本国内でもポピュラーだった初代VWビートル。実はビートルという愛称は発売後に与えられたものだ

●VWビートルタイプ1

 現在は製造販売が終了し、後継モデルの生産も終わっているが、その製造期間と販売台数で今なお世界一の記録を誇っているのが“ビートル”ことVW(ドイツ)のタイプ1だ。

 大衆に乗用車を普及させるための切り札として1930年代前半に開発がスタートし、1938年に生産が開始されたタイプ1は、第二次世界大戦終了後に目論見どおりの世界的なヒットモデルになり、その後2003年まで生産が続けられることになる。

 後にビートルの愛称のほうが有名になるタイプ1は、その愛くるしい外観とは裏腹に質実剛健な作りのクルマであり、一般市民が買える低価格車でありながら、耐久性が高く低燃費で、実用性も申し分ないという大衆車の理想を実現していた。

 この内容でヒットしない理屈はなく、自国ドイツをはじめ世界中で驚異的なセールスを記録。最終的な累計生産台数は約2150万台を超えるといわれている。

 さすがに発売から20年が経過した時点では基本設計の古さなども指摘されていたが、それでもビートルを愛するユーザーは多く、後継車種のニュービートルが1998年に登場してからも生産が続けられた。

 初代の完成度や功績が高すぎた弊害か、後継のニュービートルや3代目ザ・ビートルの人気は初代に遠く及ばず、2019年には80年以上続いたビートルの歴史が幕を閉じた。

●BMC ミニ

 ドイツにビートルがあれば、イギリスにはミニがあった。

 BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が製造した小型の乗用車がミニで登場は1959年。日本ではスポーツ仕様の「クーパー」と合わせたミニクーパーの呼称でもおなじみだ。

 ミニの特徴はその名称どおり小型なことで、全長約3m、全幅約1.4mは日本の軽自動車よりわずかに小さいほど。駆動方式にFFを採用することによって、コンパクトな車体ながら4名乗車や荷室の確保を実現している。

 ビートルとはまた別系統のキュートなルックスと、後に多くの追従車を生んだ優れたパッケージングなどが一般にもウケて、ミニは好調な売り上げを記録。以後も多数のユーザーに愛されることになる。

 ミニの権利はその後何度か変更され、最終的にドイツのBMWが取得することになるが、親会社にかかわりなく、ミニはその基本設計を変えることなく2000年まで製造販売が継続された。

 BMWではミニの意匠を引き継ぐモデルを同じ名称のBMWミニとして2001年に登場させたが、サイズは大幅に拡大され、初代ミニとは完全に違うクルマになっていた。

 初代ビートルとミニの共通点は、登場時点でその時代では先進的な設計や技術が盛り込まれていたこと、そして見た目が万人ウケするキュートなものだったことにある。

 それゆえに両車ともフルモデルチェンジをすることなく、長年にわたって愛されるクルマになったといえる。

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