頑固なまでの「現状維持」が奏功した!? 期待以上に成功したクルマたち4選

頑固なまでの「現状維持」が奏功した!? 期待以上に成功したクルマたち4選

 モデルチェンジのサイクルは車種によって異なるが、長年に渡ってモデルチェンジなし、あるいはマイナーチェンジのみで同じ路線を貫いているクルマもある。今回は、そうした“頑固な”クルマ4 種を見ていこう。

文/長谷川 敦、写真/トヨタ、VW、日産、FavCars.com

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■モデルチェンジをしない? できない?

頑固なまでの現状維持が奏功した!? 期待以上に成功したクルマたち4選
業務用車両は耐久性が高く、メンテナンスの利便性などを重視した結果、モデルサイクルが長めになる傾向が強い。写真のトヨタ ハイエースもそんなクルマの1台だ

 人気車種のモデルチェンジサイクルはだいたい4~5年。売り上げが大きいクルマは後継モデルに開発費を回す余裕があり、最新技術も盛り込めるという理由もあるため比較的短いサイクルになる。

 だが、なかにはまったくモデルチェンジをしないものの、根強い人気を保ち続ける車種も存在する。

 メーカーが自社のクルマをモデルチェンジしない理由はいくつか考えられる。そのひとつはモデルチェンジをしなくても好調な販売成績を維持できるケース。特に人気車種では、モデルチェンジによって前モデルで得た評価を失ってしまう事態も考慮して、次期モデルの投入時期を遅らせることもある。

 また、現行モデルの完成度が高すぎるという場合もモデルチェンジが先送りになってしまう。業務用途がメインとなるクルマの場合は、メンテナンスやパーツ供給などの継続性を重視してモデルチェンジを行わないことも考えられる。

 このように、同じクルマが長年作り続けられる理由はさまざま。次の項目からは、そんな長寿車種を個別に紹介しつつ、なぜモデルチェンジされなかったのかを考えていく。

■2024年も現役のご長寿モデル

●日産R35 GT-R

 日産スカイラインのスペシャルモデルだったGT-Rがスカイラインから独立し、R35型GT-Rとして新たなスタートを切ったのが2007年。ここから現在に至るまで、GT-Rはモデルチェンジせずに日産製ハイパフォーマンスカーの王座に君臨している。

 型式こそ前モデルのR34型スカイラインGT-Rから継承されるものの、R35GT-Rは独自設計の車種で、R34系に続くスカイラインはV35型へと分岐し、現在ではV37型が販売されている。

 スカイラインとの関連性を断ったR35は過激ともいえる設計思想が導入され、販売開始から17年が経過した時点でも、トップランクの性能を有している。

 駆動方式は4WDで、エンジンを車体前部、クラッチやトランスミッションを後部に配置するトランスアクスルレイアウトを採用して重量配分を最適化。初期モデルでは480psだった最高出力も、最新のNISMO仕様では600psまで引き上げられている。

 フルモデルチェンジは行わずに、年次ごとに改良型を発表するモデルイヤー制を採用しているのもR35GT-Rの特徴で、それがこのクルマの長寿命化にもつながっている。

●トヨタ ハイエース(5代目)

 業務用のみならず、乗用や日常使いでドライブしている人が意外に多いのがトヨタのバン、ハイエースだ。

 初代は1967年に発売され、その後は比較的長めのサイクルでモデルチェンジを繰り返してきたハイエースの現行型(5代目)が登場したのが2004年。そこからモデルチェンジが行われていないため、2024年には20周年を迎える長寿車になる。

 現行型H200系ハイエースは、15年に渡って販売されていたH100系の後継車としてデビューしている。H100系に設けられていた内外装の豪華な仕様は廃され、より実用性を重視したのがH200系の特徴だった。

 実用性の高い現行型ハイエースは業務用車両としてはもちろん、趣味のための荷物を運ぶクルマとしてプライベートで使われることも多い。

 本来は業務用に作られているため耐久性も高く、長年乗れることもハイエースの魅力になっており、それもまたモデル寿命の長い理由といえる。

 2019年には海外向けの新型ハイエースが登場しているが、このモデルの国内投入はなく、環境&安全性能を高めるマイナーチェンジが5代目ハイエースで行われている。

 いくら出来がよくて頑丈なクルマとはいえ、ハイエースにもフルモデルチェンジのウワサは流れてきている。そのタイミングは2025年ともいわれているが真相はまだ雲の中。

 たとえ近い未来にフルモデルチェンジが行われたとしても、5代目ハイエースが頑固さゆえに長く愛されたクルマだという事実に変わりはない。

次ページは : ■誕生から40年を超えて愛された頑固なクルマたち

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