■石焼き芋販売車に初代センチュリーを選んだ「理由」が凄い
でもなぜ、初代センチュリー(VG45型)を石焼き芋販売車にしたのだろうか?
「最高峰の日本車である必要があったからですね。現代美術というものは西洋の美術で、アイデンティティーをかなり重視します。石焼き芋販売車もデコトラの発想も、センチュリーも、日本の文化や思想が反映されています。そこにアイデンティティーを感じたので初代センチュリーを使いました」。なるほど、深い……。続けて木崎さん。
「最高峰のセンチュリーで、最高級のブランド芋(「なると金時 里むすめ」)を焼くことが最高の作品になるのではと考えました。VIPが座る後席に芋と薪が乗っている、というのもちょっとおもしろいかな……」と木崎さん。
■トランク部で芋を焼く。お値段は1個600円から800円ほど
では、センチュリーのどこで芋を焼くのだろうか……。上写真を見てわかるが、トランク部分に焼き釜と、その上に石焼きスペースを設置。使う石は焼き芋に適した那智黒石の三分というものを使うなど、おいしさへのこだわりもハンパなし。
ちなみに、料金は芋のサイズで変わり、1個600円から800円ほど。一日で最高150本売れることもあるという。凄い。
木崎さんのセンチュリーは1994年式と、2024年でちょうど30歳を迎える。近い将来、現行センチュリーを石焼き芋販売車にする計画はないですか? と木崎さんへ投げたら、「面白いアイデアかもしれませんが、何本芋を焼けばペイできるでしょうかねぇ(笑)」と笑うしかないという感じだった。
■こっちもかなりのインパクト! ハイラックスのポン菓子カー
実は木崎さん、もうひとつ食品を販売するクルマを所有している。それはポン菓子カー。名前は「穀」(Tanatsu)で、2016年から稼働しているクルマだ。
米国トヨタ製のハイラックス(1990年代のモデル)をベース車両に、荷台部分にポン菓子製造機を設置。なぜ、ハイラックスにしたのだろうか。
「ポン菓子カーを思いついた2015年頃、ISIS(イスラム国)が世界で猛威を奮っており、旧型ハイラックスに銃兵器を積んだ民兵用の戦闘車がよく映像で流れていました。ハイラックスは壊れにくいので、そういう用途で使われていたというのは皮肉なものだと感じました」と木崎さん。
映像で見た戦いに使われる同タイプのハイラックスを、「楽しさ」につながるポン菓子機を搭載したクルマにする、という思いで「ハイラックスのポン菓子カー」が誕生。荷台に搭載しているのは銃兵器ではなく、懐かしさとおいしさを生むポン菓子機だ。このクルマもイベントなどの会場で稼働しており、人気者という。
2024年は初めて九州にも進出。4~6月、大分県の大分駅「ガレリア竹町商店街」の入口で今回紹介した2台をはじめ、木崎さんの作品(住むことができる船もある!)が展示されるという。ド派手な実物を見たい方はぜひ足を運んでくださいませ!
コメント
コメントの使い方名車が台無しだ・・・
このセンチュリーは二代目であり、初代ではありません。