「モデナ」ならカッコいいけど日産だったら「ヨコハマ」…か…地名が車名になったクルマの事情たち

北米のクルマに日本のあの年の地名が!! プリムス「サッポロ」

 プリムス「サッポロ」は、1976年にアメリカ クライスラーのプリムスブランドで発売された2ドアクーペモデルだ。クライスラーは当時三菱自動車と業務提携しており、サッポロは、北米で人気のクーペモデルを意識して開発された三菱「ギャランΛ(ラムダ)」の北米版として販売された。

 車名の「サッポロ」はいうまでもなく、北海道札幌市の「サッポロ」からつけられたもの。1972年に札幌で冬季オリンピックが開催されたことで、海外でも名前が知られるようになっていた、というのが理由のようだ。しかしながら、海外で「サッポロ」という言葉の響きがどんな印象になるのか、札幌出身の筆者はつい考えてしまう。

プリムス「サッポロ」こと、三菱のギャランラムダ。直線的なボディラインや角ばったフロントライトなど、70年代のアメ車のようなデザインだが、サッポロを表現した要素はどこにも見当たらない
プリムス「サッポロ」こと、三菱のギャランラムダ。直線的なボディラインや角ばったフロントライトなど、70年代のアメ車のようなデザインだが、サッポロを表現した要素はどこにも見当たらない

聖地が車名に!! フェラーリ「550 マラネロ」

 フェラーリには、カリフォルニア、モデナ、モンツァ、国名も入れるとアメリカ、イタリア、メキシコなど多数の地名が車名となったモデルが存在するが、今回取り上げるのは「マラネロ」。マラネロはフェラーリの本社工場がある町の名前で、ファンにとっては「聖地」ともいえる場所だ。

 1996年に登場したフェラーリ550マラネロは、5.5L V12エンジンを搭載し、最高出力は485ps、最大トルクは57.9kgmのスペックを誇る。ミッドシップではなくFRレイアウトを採用し、ピニンファリーナによる美しいデザインとF512Mを上回るパフォーマンスで、新時代のフェラーリを予感させるモデルであった。

ブランドゆかりの地名が採用される アルファロメオ「ミラノ」

 まだ発売になっていないモデルだが、アルファロメオから2024年4月にデビューする新型車には「ミラノ」という名前が付けられている。小型SUVになる模様で、ラインアップにはブランド発のBEV(100%電気自動車)も用意されるという。

 ミラノはイタリア北部最大の都市であり、アルファロメオゆかりの地。芸術とメイドインイタリアのアイコンとして世界的に知られ、ファッション、デザイン、音楽の分野で重要な文化的役割を果たしている。アルファロメオの求める「21世紀におけるスポーティさの再確認」というマイルストーン的な狙いを込めて「ミラノ」と名付けるようだ。

 「ミラノ」でいえば、1983年に登場した「日産 パルサー ミラノX1」というモデルもある。当時提携していた、アルファロメオと日産のコラボを記念して登場したスポーティ仕様の上級グレードだ。「ミラノ」という車名についていうならば、こちらのほうが先輩だ。

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 日本ではすでに姿を消してしまったが、日産の高級SUV「ムラーノ」も、イタリアの「ムラーノ島」からつけられたもの。ちなみに、トヨタ自動車は、愛知県豊田市に本社を構えるが、こちらは地名が企業名になったのではなく、企業名が地名になったもの。今回取り上げた車名の例とは逆のパターンだ。

 クルマの名前にはさまざまな意味が込められているが、地名が車名になっている場合は、特に強いこだわりが込められているように思う。国産車ではなかなか少ないパターンだが、こうして振り返ってみるのもまた面白い。

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