車名はクルマのイメージに直結する要素であり、ブランド力向上にも有効なもの。そのクルマに合った単語や造語、動物の名前、数字などが用いられる場合も多いが、今回は地名が車名に用いられたクルマたちを紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:SUBARU、FERRARI、NISSAN、LOTUS、MITSUBISHI
イギリスの工業都市の名前が付けられた、スバル「レガシィ ランカスター」
スバルを代表するモデルとして、1989年から2014年まで、5世代に渡って販売されていた「レガシィツーリングワゴン」。そのレガシィツーリングワゴンに1995年、「グランドワゴン」というモデルが追加された。ゆとりのパワーを持つ2.5LエンジンとSUVテイストの力強い外観、最低地上高200mmというパッケージングのモデルであり、もともとは、北米市場をターゲットにしたモデルだった。
このグランドワゴンが、1997年のマイナーチェンジの際に与えられたサブネームが、「ランカスター」だ。元々ヨーロッパで使われていたケルト語で「活動的な」という意味をあらわす「LAN」と、「砦」を表す「CASTER」が組み合わせられているものだそうで、イギリス、イングランド北西部のランカシャー州北部にある工業都市の名前に由来する。ただこれは日本国内向けの名前で、海外向けは「アウトバック」というネーミングであり、モデルチェンジのタイミングで「アウトバック」に統一された。
「Europe」じゃなくて「Europa」!! ロータス「ヨーロッパ」
ロータス「ヨーロッパ」は、イギリスの名門スポーツカーメーカーであるロータスが1966年〜1975年まで販売していたコンパクトスポーツモデルだ。漫画「サーキットの狼」で活躍していたことから、憧れをもつ人も多いのではないだろうか。
車名の「ヨーロッパ」は、当初ヨーロッパ市場でのみの販売を計画していたため。通常ヨーロッパは英語で書くと「Europe(最後がe)」となるが、ロータスヨーロッパは「Europa(最後がa)」。これはヨーロッパで使われているほとんどの言語(ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語など)では、ヨーロッパのことを「Europa」と表記することが理由のようだ。
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