電動化が進む乗用車と比べて、思うように電動化が進んでいない商用車。2023年10月~11月に開催されたジャパンモビリティショー2023では、トヨタ「ハイエース」に大容量のバッテリーを搭載した100%電気自動車が出展されていたが、その内容は「国内市販」に辿りつくまではまだ時間がかかりそうだった。
そんななか、先般開催された東京オートサロン2024では、同じくハイエースに大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載したプラグインハイブリッドカーが出展されていた。はたして、商用車の未来を変えるゲームチェンジャーとなるのか!?? 出展したHKSの広報担当者へ詳細取材した。
文:吉川賢一
写真:エムスリープロダクション
最小限のコンバートで実現
アフターパーツメーカーであるHKSが東京オートサロン2024に出展したのは、「HKS e-HIACE MULTI ENERGY CONCEPT」(以下e-ハイエース)。ベースであるハイエースはいつもの白地だが、グリーンのカラーリングでドレスアップされている。HKS製品全般の広報活動を担当されている、(株)エッチ・ケー・エスの広報戦略課 近藤剛生氏にお話を伺った。
ベースとなっているハイエースは、2.7Lガソリンエンジン車だ。エンジンは発電専用として残し、トランスミッション部分をHKS製のモーターユニットへ置き換え、25kW/hの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。エンジンと駆動系が直結となるモードはなく、バッテリーの電力で走行するプラグインハイブリッドカーだ。
発電用モーターと駆動用モーターが仕込まれているモーターユニットは、既存のトランスミッションユニットと同じ全長でつくっているので、プロペラシャフト以降のパーツは、全てベースのハイエースのものがそのまま使えるとのこと。近藤氏によると、「フロアを改造してバッテリーを積むことは技術的には可能ですが、それだと手間とコストが大きくかかってしまいます。今回は、できるだけ既存のクルマのパーツを使うことで、交換部品を少なくし、簡単にコンバートできるような構成で考えました。今回はハイエースをベースにしましたが、今後は他のクルマでも同じようにPHEVへコンバージョンできるように検討する予定です。」とのことだった。
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