阪神高速で渋滞で停止した軽自動車に大型トラックが突っ込むという悲惨な事故があった。大型トラックがある程度以上の速度で追突してきたら、軽自動車でなくともひとたまりもない。もちろん、交通事故はさまざまな要因が重なって起こってしまうものだが、その「要素」をひとつでも排除することで悲惨な交通事故の当事者にならないようにしたいものだ。渋滞で後続車に突っ込まれる事態を避けるための自衛策を考えたい。
文・写真/梅木智晴(ベストカー編集委員)
【画像ギャラリー】「もらい事故は」自衛もできる!! 渋滞最後尾の悲惨な事故を防ぐ「防衛運転」とは (3枚)画像ギャラリー高速道路の渋滞では追突事故が発生すると思って運転する
特に高速道路では渋滞の最後尾に後続車が突っ込む事故が後を絶たない。それまで100km/h、区間によっては120㎞/hで順調に流れていたところから、急に渋滞区間に遭遇すると、ほんのわずかなよそ見や、気に緩みで後続車が止まり切れず、渋滞の最後尾に突っ込んでしまう。よそ見などをしていなくても、高速道路をずうっと走っていることで速度感、距離感が麻痺してしまうことも突然の渋滞で止まり切れない一因となる。ドライバーは前方の渋滞を認識し、速度を落としていくのだが、渋滞最後尾が近づくと、「えっ! 止まり切れない!!!!!」となってフルブレーキをかけるのだが、止まり切れずに追突してしまう、と言うケースだ。高速道路(に、限らないが……)で渋滞が発生したら、そこでは必ず追突事故が発生する、と思った防衛運転を心掛けたいものである。
前方に渋滞が発生していたら、あらかじめ速度を落として自車の後ろに後続車を従える
ベストカー本誌でもこれまで機会あるごとにお伝えしてきたことなのだが、私は前方に渋滞区間を認めたなら、充分に余裕を取ったうえで、バックミラーで後続車の様子を確認しながら徐々に速度を落として、自車の後ろに後続車を難題も連ねるようにしながら渋滞の最後尾に近づくようにしている。そう、自車が「渋滞最後尾」にならないようにするのだ。さらに、可能であれば最左車線にいるようにする。後続車との距離が大きいようであれば、ハザードランプを点灯させて、前方に渋滞があり自車が速度を落としつつあることをアピールする。
いよいよ完全停車となる時点でも今一度バックミラーを確認して、後続車が確実に減速していることを確認。そして停車時は前のクルマにビッタリ付けることはせず、2m程度の隙間を空けるようにしている。これは、それでも不測の事態が発生した際、ハンドルを左に切って路側帯に逃げるための自衛策だ。停車中はバックミラーを随時チェックして後方の状況を把握しておくことも重要だ。
高速道路では情報表示板で前方の渋滞を予告する表示があるので、事前に渋滞区間を把握しておくことも重要だが、突如発生した事故などで予告表示が出る前に渋滞に遭遇することあるので、前方注視は怠ってはならないことは言うまでもない。
もちろん、これらを実践しても避けられない事故の可能性はある。しかし、少しでもその可能性を排除することで、自衛をしたいものである。
【画像ギャラリー】「もらい事故は」自衛もできる!! 渋滞最後尾の悲惨な事故を防ぐ「防衛運転」とは (3枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方