60年前はもっとすごかったってマジか!?? 日本の宝「軽自動車」黄金の1960年代グラフィックス

60年前はもっとすごかったってマジか!?? 日本の宝「軽自動車」黄金の1960年代グラフィックス

 現在一番の売れ筋カテゴリーになっている軽自動車だが、その昔、国民車として親しまれた時代の軽自動車とはどんなクルマだったのか? その昔と今とを振り返る。(2014年1月26日号より)

TEXT:片岡英明
PHOTO:スズキ、スバル、マツダ、三菱、ダイハツ
協力:カタログで見る昭和30年代の車

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■国民車として支持を集めた軽自動車の時代

スズライト360 TL型(1961年型)
スズライト360 TL型(1961年型)

 2013年11月に前年同月比20%増、5カ月連続で前年実績を上回る好調な新車販売を記録している軽自動車。

 新車販売に占める軽のシェアはすでに4割に達しているがニューモデルも続々と登場しており、来年にも5割を超える可能性が出てきた。

 軽はその昔、1960年前後に国民車として親しまれたが、今再び国民車になっているわけだ。

 急速な進化により充分な性能を持ち、経済性に優れた軽自動車が今人気を集めているのは当然ともいえるが、昔の国民車時代の軽も魅力に溢れていた。

 では、その1960年前後に誕生した軽自動車はどんなクルマだったのか?その時代を当時のカタログ写真で振り返ってみる。

*   *   *

 日本の国民車とも言える軽自動車の規格は、1950年代に定まった。全長3m、全幅1.3m以下とし、1952年には車検と登録制度を撤廃し、届け出だけで軽自動車を持てるように改正している。

 税制面も優遇した。2サイクルエンジンを含め、排気量を360ccに統一したのはクラウンが誕生した1955年だ。

 この年にスズキはスズライトを発表する。今につながるFF方式を英国のミニに先駆けて採用したが、当時は軽自動車といえども高嶺の花だったから売れゆきはいま一歩にとどまった。

 2ドアセダン、バン、ピックアップが用意されたが、1959年には物品税が非課税になる商用のバンだけに絞り込んでいる。

 スズライトに続いて登場し、町や村の景色を変えてしまったのがダイハツのミゼットだ。

 スズライトの販売状況を見てもわかるように、当時は商用車が主役だった。

 ダイハツは1957年夏に軽3輪トラックのミゼットを発売し、8万台を超えるヒットを飛ばしている。

 取り回し性に優れ、燃費もいいミゼットは、機動性と経済性の高さがウケ、小口配送などに大活躍した。初期モデルはバーハンドルだ。

 軽自動車ブームの火付け役となったのが、1958年3月に登場し、「てんとう虫」の愛称で親しまれたスバル360だ。

スバル360
スバル360

 航空機技術を駆使して設計され、4輪独立懸架のサスペンションは優れた操縦性と安定性を持ち乗り心地も群を抜いていた。

 当時の軽自動車は2人乗りが一般的だった。が、スバル360は大人4人が無理なく乗れる広いキャビンスペースを実現している。

 リアに積むのは、空冷2サイクル2気筒エンジンだ。信頼性の高いスバル360のメカニズムを用いた商用車のサンバーライトバンも誕生する。

 スバル360は発売されるや大ヒット作となった。これを追ってライバルたちが名乗りをあげてくる。

 1959年に空冷V型2気筒OHVエンジンを積む軽オート3輪のK360を送り出したマツダは、1960年に2+2レイアウトのR360クーペを発売。1962年には水冷4サイクル4気筒OHVエンジンをリアに積むキャロルをリリースしている。

 キャロルは1963年に使い勝手のいい4ドアを追加した。この時代のマツダの軽自動車は、まだ珍しい4サイクルエンジンだ。

 三菱とダイハツは、リアエンジンではなく、上級クラスと同じ後輪駆動のFR方式で勝負に出た。

 三菱のミニカとダイハツのフェローはFR駆動で、直線基調のデザインを採用している。

 この時代の軽自動車はデザインも個性的だ。外観だけでなく内装にも強い主張を感じる。

 1968年までは軽自動車の限定免許があり、16歳で「軽免許」を取得できた。この免許制度も軽自動車普及の追い風となった。

 現在に負けないくらい1960年前後の軽は魅力的だった。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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