クルマを買うときに悩むのが、「輸入車がいいのか? 国産車がいいのか?」という問題。
一昔前なら「輸入車はすぐ壊れる」なんていうのが常識だったが、今では逆に「え? そんな時代があったの?」と返されるのが関の山だろう。隔世の感がある。
国産より一回り大きなお金を出してでも、輸入車を買うメリットはあるのか。ランクルプラド、XV、CX-8。日本の誇るSUV3台を駆り出し、BMW、VW、ランドローバーに勝負を挑んだ。
判定人は自動車ジャーナリストであり、またプロドライバーでもある国沢光宏氏、国産SUVと輸入車、どちらが「買い」の一台なのか総合的に判断してもらった。
※本稿は2019年5月のものです
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年6月26日号
■マツダ CX-8 vs BMW X3
●マツダ CX-8(価格:289万4000〜446万400円)
VS
●BMW X3(価格:657万〜878万円)
CX-8の面白さは3列目シートを持っているという点にある。
輸入車の場合、SUVの3列目シートが欲しければVC90級を選ばないとならない。しかもXC90の3列目シートの居住性、CX-8に届いておらず。
日本車にもCR-VやレクサスRX、ランクルプラドといった3列目シート付きSUVもあるけれど、すべて小柄な人のためのもの。身長183cmの私だと「狭いところに閉じ込められる」というゴーモンの如し。CX-8なら私でも数時間くらいのドライブが可能です。
CX-8と同じ車格のSUVとなると、輸入車ならBMW X3あたりがライバル。走行性能でいえば、けっこういい勝負となる。エンジン出力でイーブン。車重も同等のため、動力性能もイーブンだ。
強いていえばディーゼルエンジン勝負ならCX-8優位。ガソリンエンジンだとX3優位といったイメージ。自動ブレーキはややX3が勝っている。
クルマとしての魅力を比べると、3列目シートの有無、4WD性能など総合的に評価。この勝負はCX-8に軍配を上げておく。
■判定:CX-8の勝ち…4WD性能など総合的評価でCX-8が勝る!
■スバル XV vs VW ゴルフオールトラック
●スバル XV(価格:213万8400〜282万9600円)
VS
●VW ゴルフオールトラック(価格:369万9000万円)
XVの面白さは乗用車であるインプレッサのボディをそのまんま使いながら、本格的なSUVと同等の走破性能を持つ点。
なんせ最低地上高200mmを確保しているのだった。これはSUVの平均値を軽く凌ぎ、クロカン4WDに迫るほど。XVで雪道や悪路を走ると、SUVに勝るとも劣らないタフさがあって楽しい!
一方、ゴルフのボディをリフトアップしたオールトラックの最低地上高は165mmしかない。こらもう普通のFF乗用車と同等で、少しばかり物足りず。
165mmだと林道を走ればお腹を擦ることも多くなるし、雪道のワダチだって厳しい。もっといえば、輸入車でキッチリと最低地上高を確保している車種って少なかったりする。この点だけ考えてもXVは素晴らしいと思う。
さらにXVなら歩行者対応エアバッグを標準装備していたり、歩行者も認識して自動ブレーキかけるアイサイト付きだったりするなどアドバンテージ多い。
純粋にクルマの総合性能を比較したら世界基準で考えたって、XVの圧倒的な勝利だと思います。
■判定:XVの勝ち…「ホンモノのSUV」と太鼓判を押せるXVの圧勝!
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